歯科衛生士の有給事情

みなさんは、「休日」と「休暇」の違いって、ご存じでしょうか?

「休日」は労働の義務がない日のこと、「休暇」は労働者から申請して休みにする日のことです。

今回は「休暇」の中でも一番ポピュラーな、有給休暇について書いていきたいと思います。

* この記事は2022年6月24日に更新しました

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[目次]
1.有給休暇についての決まりごと
2.データで見る、歯科衛生士の有給事情
3.有給以外の休暇について

1.有給休暇についての決まりごと

有給休暇とは、名前のとおり「有給」で休暇を取得できる権利です。

有給休暇に関する詳しい決まりごとは、「労働基準法」によって定められています。労働基準法とは、日本国民として働くときに、私たち労働者を守ってくれる法律です。

前回のコラム(週休2日と完全週休2日の違いを知ってる?歯科医院の休日について)でも出てきましたが、それだけ私たちが働く上で大切な法律ということですね。

その労働基準法では、有給休暇について以下のように書かれています。

年次有給休暇とは、使用者が有給で労働者に与えなければならない休暇のことをいいます。(労基法第39条)

労働者が6カ月間継続勤務し、全所定労働日の8割以上出勤した場合は、最低10日の年次有給休暇を与えなければなりません。(労基法第39条1、2項 一部省略)

正社員やパートタイムなどの区分に関係なく、以下の2つの要件を満たしている労働者であれば誰でも有給休暇を取得できます。

  1.  半年間継続して雇われている
  2.  全労働日の8割以上を出勤している

また、継続勤務年数が増えるごとに、取得できる日数も増えていきます。

週の勤務日数が5日以上、または労働時間が30時間以上の労働者の場合
継続勤務年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月〜
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

2.データで見る、歯科衛生士の有給事情

ではそのような前提の中、歯科衛生士はどのくらい有給を取得できているのでしょうか?
日本歯科衛生士会のデータから見ていきましょう。
(参照:第9回 歯科衛生士の勤務実態調査報告書-公益社団法人 日本歯科衛生士会

有給休暇の有無 ※常勤のみ(歯科衛生士の勤務実態調査を元にdStyle編集)

もっとも働いている歯科衛生士の数が多い「歯科診療所」のみ、平均を下回る結果となっています。

しかし、歯科診療所で有給休暇がある職場は、10年前の前々回の調査では67.9%、5年前の前回では71.5%と、有給休暇についての意識は全体的に上がっているといえます。

有給日数について ※常勤のみ・無回答除く(歯科衛生士の勤務実態調査を元にdStyle編集)

続いて、年間の有給日数をみると、歯科診療所のみ、平均の取得日数を下回っている状況です。

しかしながら、「20日以上」と回答した方も20%を超えており、各院で取得状況に差が出ていると考えられます。

選考を進める中で、その都度確認していくことをおすすめします。

3.有給以外の休暇について

有給以外の休暇として、特別休暇があります。

特別休暇は、法律によって義務づけられている法定休暇とは違って法律に定めがなく、歯科医院が社員に対する福利厚生として与える休暇のことをいいます。

よくある特別休暇としては、冠婚葬祭時の慶弔休暇や病気休暇、リフレッシュ休暇、ボランティア休暇、永年勤続による休暇、などがあります。

休暇に関しては、制度があるかどうかに加えて、平均消化日数など、どのくらい使用されているかも確認した上で判断をしていきましょう。