学会などが認定している認定歯科衛生士制度。
専門性の高い臨床を行ったり、多くの人の前で発表をしたりと、そのような姿に憧れている方も多いと思います。
dStyleでは、いろいろな認定資格を活かして働く歯科衛生士をご紹介。
資格取得を考えている方や、同じ資格を持っている方も、ぜひ参考にしてくださいね。
今回の認定資格FILE
PROFESSIONAL CAREER HISTORY2012年 2021年 2021年 |
DH PROFILE
歯科衛生士歴: 9年
認定歯科衛生士歴:1年
休職年数: 0年
Interview
新型コロナウイルス感染症の発生、拡大がいちばんのきっかけです。
歯科医院も医科と同じレベルの感染予防をしていく必要があるとあらためて感じ、専門的な知識を身につけたいと考えました。
今では良いきっかけになったと感じています。
第一種歯科感染管理者の検定は、前提として第二種歯科感染管理者の資格取得者でないと受けられません。そのため、第二種歯科感染管理者の資格を取得することからはじめました。
第二種歯科感染管理者の検定では、感染管理について約3時間の講義を受けた後、検定試験が行われます。この検定試験に合格すれば、第二種の資格が取得できます。
無事に第二種の資格を取得したのですが、その約半年後には第一種の検定が開催されることを知りました。感染管理についてもっと深く学びたいと思っていた私は、迷うことなくエントリー。
しかし、第一種の検定は、講義を受けるだけでなく、「感染制御マニュアル」というものを自分で作成し、提出する必要があります。
どの講義もとても聞きやすく、すごくおもしろかったのですが、私は今までマニュアルを作成したことがなかったため、この作業に大変苦労しました。
講義では、マニュアルの作成方法について一から学び、サンプルなども見せてもらえるのですが、もちろんそれをコピーするだけでは合格できません。
サンプルを参考にしてはいいものの、「オリジナルのマニュアルを作成する」ということは、思った以上に大変な作業でした!
約1ヵ月、提出期限のギリギリまでかかりました。
マニュアルのレイアウトや言葉の言い回し、薬液の種類などは、作成する人によって異なりますが、どんな歯科医院でも使えるようなマニュアルにする必要があります。
勤務先のスタッフには、針刺し事故への対処についてのフローチャートや、薬液についての部分がとくに好評でした。
何度も修正を繰り返してできたマニュアルは、全部で10,000文字以上にもおよぶ資料になりました。
感染管理の知識が格段に向上したことです。
知識をつけた上で自身の感染管理を見直すと、今まであたり前にやってきたことに対してとても恥ずかしいと思うようになりました。
また、資格を取ってからも知識をアップデートしていくことは必須です。
常に自分の知識が正しいかどうか自信をもつため、大きい本屋さんに行くと、真っ先に感染管理関連の書籍に目がいくようになりました!
資格をとったからこそ、責任をもって感染管理に向き合うことができ、その重要性についても再認識することができました。
勤務先の歯科医院での大規模な感染管理対策の変更・実地を行っています。
資格を取ったことで、スタッフからの感染管理に関する質問がすごい増えたんですよね。
私の勤務先には40名以上のスタッフが在籍するので、まずは全員の意識を統一するために院内研修を行いました。
感染管理対策の第一歩として、まずはじめに行ったことは、診療室内にいるすべてのスタッフがガウンを着るということ。
それまではゴーグルと簡易のエプロンしか着用していなかったのですが、現在はガウンに加え、フェイスシールドとヘッドキャップも着用して診療にあたっています。
最近では、スタッフ全員がB型肝炎の予防接種を受け、不測の事態にも落ち着いて対応できるような環境が整ってきています。
また、感染管理のシステムを変えるには、なんといっても院長先生の理解がいちばん重要です。
システムを変えたいと思っても、院長先生にコストのことを指摘されると、スタッフはそれ以上何もできなくなってしまいます。
理解があり、スタッフや患者さんの安全をいつも真剣に考えてくれる現在の院長先生のもとで働けて、とても幸せです。
今後は当院だけでなく、他院でもこの重要さを伝えていきたいと思っています。
感染制御マニュアルの作成は大変ですが、医療に携わる人として、自分やスタッフ、そして患者さん、その家族を守るためにも、第一種歯科感染管理者は重要な資格です。
第一種歯科感染管理者の資格を取るのは大変ですが、取るまでの過程がいちばん大事です。
まずは第二種を取得し、自分に自信をつけてから、第一種の取得を目指してほしいなと思います。
歯科衛生士がぺリオやカリエスについて学ぶことはもちろん大切です。
しかし、「感染管理」というあたり前のことをあたり前にできるようになることも非常に大切だと思います。
せっかく手間をかけて行っている掃除や滅菌を、より効果的にするためにも必要な資格なので、ぜひ受講してみてください!
わたしの診療スタイル
本格的ではありませんが、心理カウンセラーの資格を取っているので、そのテクニックを応用して診療にあたっています。
時には心折れそうになることもありますが、私が関わったすべての患者さんにはみんな幸せになっていただきたいので、一人ひとり本当に真剣に向き合っています。
入り込みすぎでは?と言われることもありますが、自分の中で線引きはきっちりしています!
医院の方針も理解しつつ、自分のやりたいことも実現しつつ、患者さんも良い方向にもっていくということが、歯科衛生士としてとても必要なことと思っています。
仕事に対してやりがいをもち、充実し、楽しく毎日を過ごす。
そんな歯科衛生士が日本中にあふれることを心より願っています。
FAVORITE TOOL
強固な歯石の場合は、Hu-Friedyのキュレットを使用することもありますね。
超音波スケーラーはナカニシのバリオスを愛用しており、チップはP10やG9などを使い分けています。
Work Clinic
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