日本の歯科業界にはたくさんの資格制度が存在し、その代表格が歯科医師免許・歯科衛生士免許・歯科技工士免許です。
これらの資格は「国家資格」といって、国で認められている認定制度です。しかしその他にも「協会認定資格」「学会認定資格」など、自身のスキルアップのための資格がたくさん制定されています。
今回はたくさんある資格のうち、とくに専任教員認定歯科衛生士の資格について、徹底解説しますよ!
1.専任教員認定歯科衛生士とは?
2.専任教員認定歯科衛生士の業務
3.認定資格の申請に必要な条件
4.資格のとりかた・費用について
5.専任教員認定歯科衛生士の働き方(coming soon…)
1.専任教員認定歯科衛生士とは?
一般社団法人 全国歯科衛生士教育協議会が設けている「協議会認定資格」。
次世代を担う優れた歯科衛生士を教育するためには、その教育に直接携わる歯科衛生士専任教員の資質の向上が望まれます。
そこで、高度な専門知識や技術を習得するだけでなく、専門医療職として豊かな人間性や、時代の進歩に合わせた柔軟な対応ができる科学的思考力を養成することを目的に、この認定制度が制定されました。
2021年5月末日現在、協議会に入会している養成機関は、専門学校145校、短期大学16校、4年制大学12校の合計173校。
これらの養成機関に専任教員として勤務する歯科衛生士のための認定資格です。
専任教員のみが取得可能な資格のため、非常勤講師やその他の教員は取得することができません。
2.専任教員認定歯科衛生士の業務
歯科衛生士養成機関で専任教員として勤務し、歯科衛生士教育を行います。
歯科衛生士教育内容において専門分野である「歯科予防処置論」「歯科保健指導論」「歯科診療補助論」などの実技教育をおもに担当します。
3.認定資格の申請に必要な条件
認定資格の申請には、団体が定める5種類の「歯科衛生士専任教員講習会」を受講し、それぞれの修了証を取得する必要があります。
(参照:一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会 専任教員認定歯科衛生士制度規程 )
歯科衛生士専任教員講習会とは、歯科衛生士学校や養成所において、おもに実技教育を担当している専任教員の指導能力を充実させるために行われる講習会です。
臨床歴や教員歴に下限はないものの、この歯科衛生士専任教員講習会をすべて受講するだけでも、少なくとも3年という期間を要します。
4.資格のとりかた・費用について
歯科衛生士専任教員講習会では、講義だけでなく受講者同士のグループワークも行われます。
1日で受講が完了する講習会もあれば、数日間にわたる講習会もあるため、日程や場所については注意深く確認しておきましょう。
5種類の講習を受講が完了したら、認定資格の申請を行います。
申請時には、次の書類を用意し、認定審査料5,000円と認定登録料10,000円の計15,000円を認定委員会に支払う必要があります。
(参照:一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会 専任教員認定歯科衛生士制度規程 )
- 認定申請書
- それぞれの歯科衛生士専任教員講習会の修了証の写し
申請書類はこちら
申請後は、認定委員会による書類審査と、理事会からの承認が必要となります。
資格の更新について
専任教員認定歯科衛生士の認定期間は5年間とされています。
資格更新の認定を受ける場合は、必修単位と選択単位を20単位以上取得する必要があります。
更新単位についてはこちら
必修単位を取得するには、認定期間5年のうちに、団体指定の「歯科衛生士専任教員講習会」を少なくとも2回受講し、日本歯科衛生教育学会へ2回参加する必要があります。
また、選択単位を取得するには、学術雑誌への論文掲載を行うか、他の講習会または他の学会に2回以上は参加しなければいけません。
必要な単位が取得できたら、更新審査料5,000円と更新登録料3,000円の計8,000円を、以下の書類とあわせて認定委員会に提出します。
(参照:一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会 専任教員認定歯科衛生士制度規程 )
- 認定更新申請書
- 審査の対象とする期間に、取得した単位を証明する書類
- 最新の認定書のコピー
認定委員会による認定更新申請審査を受け、理事会の承認を得られれば、新たな認定証を取得することが可能です。
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いかがでしたか?
歯科衛生士学校や養成所に勤め、歯科衛生士教育に携わっている先生方には、ぜひ取得していただきたい資格です。
応援しています!