歯科衛生士が卒後もっとも学びたい科目は「解剖学」!Dr.牧草一人が歯周病学を徹底解説

日々臨床を行う中で、歯科衛生士がもっとも関わることが多い「歯周病」。

歯周病検査やOHI、スケーリング、SRP、再評価、メインテナンスといった、歯周治療の一連の流れにおいては、歯科医師よりも歯科衛生士の方が患者さんと関わる時間も長くなります。

歯科衛生士としては、「どういうOHIを行えば患者さんに響くのか」「どうすればSRPを上手にできるようになるのか」といった、それぞれの治療の技術を身につけることはもちろん大切です。

しかし、患者さんの口腔内を正しく理解するという点においては、まず「解剖学」について学び、健康な組織と炎症がある組織の違いを頭に入れておくことも非常に重要です!

今回は、そんな歯科衛生士に必要な解剖学を丸ごと学べる、WHITE CROSS Liveセミナー『歯周病専門医から歯科衛生士さんに伝えたい「基礎」と「臨床」がつながるペリオ講座』の内容をダイジェストでご紹介します♪

現在、第1回の振り返り試聴期間中!セミナーの申し込みはこちら
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天然歯のもつ治癒能力は絶大!

今回のセミナー講師を務める牧草一人先生は、日本歯周病学会の専門医・指導医で、全国または世界を舞台に活躍する著名な先生。

冒頭では、「歯科医院はコンビニより多い」「日本国民の8割が歯周病」といった、世の中にはびこる話題の真偽について解説。

その後さまざまな歯科に関する統計データを用い、今後の日本ではますます歯周病の知識や歯周治療の技術が求められるということを力説しました。

牧草先生は、「どんな治療」を行うか考えるよりも、「どんな治療」を「どの時期」に行うかを考えることの方がより重要であるといいます。

抜歯適応と診断されるような天然歯であっても、口腔内の環境を整えた上で経過観察していれば、歯槽骨の回復がみられたり、何十年も自覚症状が出ることなく過ごせていたりする症例を、いくつも紹介しました。

エンドペリオになっていた左下6番の骨組織が回復した症例
エンドペリオになっていた左下6番の骨組織が回復した症例

解剖学は「体の地図帳」!生物学的幅径を正しく理解する

牧草先生は解剖学について詳しく話す前に、解剖学を学ぶ理由について説明。

「解剖学がない臨床というのは、地図を持たずに港をでる船と一緒。」と話し、医療行為とは技術だけを磨けば良いのではなく、知識をつけることも非常に重要であると解説しました。

そしてついに本題!まずは歯周病に関する解剖学を学ぶ上で、真っ先に理解しておきたい「生物学的幅径」について学んでいきます。

牧草先生は、2017年に発表された歯周病の新分類に対する見解を示しながら、生物学的幅径の機能と臨床的な意義、補綴装置が生体に与える影響について説明しました。

補綴物の材料でセラミックを推奨する理由は、審美面の問題だけではない」というお話は、自費治療を行っている歯科医院で働くスタッフなら、かならず頭に入れておきたい知識です!

親和性が高い補綴物を装着することで、歯肉のクリーピングが起こった症例
親和性が高い補綴物を装着することで、歯肉のクリーピングが起こった症例

その後も、歯肉の形態や厚みといったバイオタイプの違いや、軟組織の末端にある毛細血管「ヘアピンループ」の解説など、聞き逃せない歯科解剖の話が満載!

中でも衝撃だったお話は、上皮性付着は3wayシリンジのエアーをかけても剥がれてしまう程に脆弱であるということ。

ただし、可逆的な力の範囲内では、一度剥がれてもまた戻ろうとするような、体の防御システムが働くため心配はないとのこと。

「上皮性付着を剥がさない」ということよりも、「上皮性付着が剥がれても元に戻れるくらいの力で操作する」ことの方が大切だと気づかされるお話でした。

3wayシリンジのエアーをかけるだけで剥がれてしまう程に脆弱な上皮性付着
3wayシリンジのエアーをかけるだけで剥がれてしまう程に脆弱な上皮性付着

新ガイドラインにも注目!歯周治療で重要な役割をもつ歯周病検査

続いて牧草先生は、今年3月に発表された『歯周治療のガイドライン2022』について説明。
(参照:日本歯周病学会が『歯周治療のガイドライン2022』を発表-WHITE CROSS

この新ガイドラインをもとに、歯周治療には欠かせない「歯周病検査」について詳しく解説しました。

プロービング時の出血・排膿が意味するものや、それぞれの炎症または感染の状態を1歯ずつ把握する必要性、解剖学的に出血が起こりやすい部位など、歯周病の診断をする上で重要となるキーポイントについて言及し、第1回の講演を締めくくりました。

出血時の様子を観察することで炎症の有無がわかる
出血時の様子を観察することで炎症の有無がわかる

いまセミナーに申し込むと第1回の講演も、8月23日まで何度でも振り返り試聴が可能です。

第2回の講演では、歯周治療の流れと歯周基本治療の内容についての詳細を解説!歯周治療に携わる歯科衛生士の方は、お見逃しなく!

現在、第1回の振り返り試聴期間中!セミナーの申し込みはこちら
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