日本歯科医師会が実施している「歯科医療に関する一般生活者意識調査」。
この調査は、「歯科医療に関する国民の認知度・理解度向上」および「歯科医師や診療に対する評価・イメージの向上」を目的として、全国の15〜79歳の男女を対象に行っています。
7回目の今回は、10,000人の男女を対象に、歯科健診や歯の健康状態に対する意識や、かかりつけ医のこと、歯科医師・歯科医院への満足度などを調査しています。
(参照:15〜79歳の男女10,000人に聞く、「歯科医療に関する生活者調査」 Part2)
今回発表された報告では、その調査結果の中で「日本人の特性」と「歯科健診や歯の健康状態に対する意識」に着目しています。
ご家族やご友人、患者さんにぜひご紹介ください!
日本人は歯科健診を先延ばしにしがち
一つ目の調査結果は日本人の特性と歯科健診の関係について。
日常生活で物事を気になりはじめたらすぐに対応する人や、できるだけ先に片付ける人を「対応派」、ギリギリまで対応しない人を「先延ばし派」と分けて集計した結果、約73%が「対応派」と回答しています。
しかし、歯科医院での健診・受診について同じように質問したところ、こちらは「先延ばし派」が約53%と優勢の結果に!
日常生活ではすぐ対応する人が多いのに、歯の健診や治療に関してはギリギリまで対応しない人が多いことがわかりました。
先延ばし派が最も多く、歯の健康リスクの高い20代の実態
先ほどの歯科医院での健診・受診についての回答を年代別にみていくと、なんと、「先延ばし派」が最も多いのは20代という結果に。
つづいて、そんな20代の歯の健康状態を「対応派」と「先延ばし派」に分けて調査したところ、自分の歯を健康だと思わない「先延ばし派」は、「対応派」の1.4倍もいるという結果に。
また、お口のトラブルは「先延ばし派」の方がたくさん抱えているという結果も出ています。
外見に関心がない男性は歯を失ってから後悔する人が多い!?
今回の調査では、もっと早くから歯の健診や治療をしておけばよかったと「後悔している」人を、年齢や性別毎に区切り、さらに細かく分析しています。
その結果、男性より女性の方が後悔している割合が高い結果に。
また、女性は年齢とともに後悔度が高くなり、50代後半をピークにゆるやかに低下していますが、男性は乱高下を繰り返しています。
女性と比較して見た目にそれほどこだわらない男性は、中年になって歯の健康が損なわれた時に、しまった!と後悔する人が多いようです。
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歯科医院で働いていると、むし歯がないから健康!と思っている人に限って、歯周病を患っているということをよく耳にしますよね。
こういったアンケート結果を利用することで、定期的な歯科健診の大切さをより客観的にアピールすることができると思います。
皆さんのクリニックで、患者さんとの会話のきっかけになったら嬉しいです。