歯科のお仕事完全マニュアル 第6章 予防・治療の知識 STEP2 投薬

患者さんの病気や症状に応じて薬を出すことを投薬といいます。医科だけでなく歯科医院においても、痛み止めや化膿止めを投薬する機会があります。

STEP2では、投薬について説明します。

*この記事は2023年10月12日に更新しました

1.歯科医院での薬の出し方

薬を出すことを処方(しょほう)といい、歯科医院で薬を出すことを院内処方(いんないしょほう)といいます。

また、薬局で薬を出してもらうことを院外処方(いんがいしょほう)といいます。

院外処方の場合、歯科医院から薬局に対して、どの薬をどれだけ出すかなどを書いた処方箋(しょほうせん)という書類を作り、患者さんに渡します。患者さんは、受け取った処方箋を持って薬局に行き、薬を購入します。

歯科医院での薬の出し方

2.歯科で取り扱う薬の種類

歯科で取り扱う薬には、大きく分けると次の種類があります。

鎮痛剤

痛み止めのことを鎮痛剤(ちんつうざい)とよびます。ボルタレンやロキソニン、カロナール、ポンタールなどの薬が使用されます。

① 鎮痛剤(ちんつうざい)

抗生物質

細菌を殺して化膿をおさえる薬を抗生物質(こうせいぶっしつ)といいます。フロモックスやメイアクト、パセトシン、サワシリン、クラリス、ジスロマック、ケフラールなどの薬が使用されます。

② 抗生物質

その他

  • 胃薬
    ノイエルやムコスタなどの薬
  • 軟膏
    ケナログやヒノポロンなどの薬。たとえば、ケナログは口内炎などに使用します。
口内炎には軟膏を処方する
口内炎には軟膏を処方する

3.投薬時の注意点

抗生物質において、サワシリンは「ペニシリン系」、ジスロマックは「マクロライド系」というように、薬のグループに分けられます。

患者さんによっては、特定のグループの薬に対してアレルギーがある場合があります。薬のアレルギーは非常に危険であり、最大限の注意を払わなければいけません。そのためしっかりと問診を行い、アレルギーの有無については処方する度に確認する必要があります。

どの薬を処方するかは歯科医師が決定しますが、ヒューマンエラーを防ぐために、受付やアシスタントスタッフも、ダブルチェックやトリプルチェックを行います。

カルテの薬のアレルギーについて書かれている場所をチェックする習慣を身につけましょう。

治療中に使う薬剤
アレルギーの記載がないか、都度確認しましょう

4.治療中に使う薬剤

歯科医院では薬剤を処方するほか、治療中に炎症がある歯周ポケットなどに、抗生物質が含まれた軟膏を注入することがあります。

治療中に使う薬剤

やってみよう!知識チェック

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第6章 予防・治療の知識

STEP1 予防
STEP2 投薬
STEP3 歯周病の治療
STEP4 知覚過敏の治療
STEP5 小さなう蝕の治療
STEP6 歯の神経をとる治療
STEP7 かぶせ物を作る治療
STEP8 感染根管の治療
STEP9 TeCを作る治療
STEP10 ブリッジを作る治療
STEP11 義歯を作る治療
STEP12 義歯の調整
STEP13 歯を抜く治療
STEP14 小児患者さんの治療
STEP15 その他の治療