概形印象をもとに作られた模型を使って個人トレーを作り、より精密な印象をとる治療のことを精密印象といい、個人トレーセット、最終印象などともいいます。
STEP3では、総義歯・部分床義歯の精密印象を行う際に準備する器具や、治療の流れについて説明します。
1.精密印象の準備
基本的に準備するもの
① | 個人トレー |
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② | モデリングコンパウンド + お湯 |
③ | アルジネート印象材用接着剤 + 小筆 |
④ | 技工指示書 + 技工物ノート |
必要に応じて準備するもの
① | ガスバーナー |
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② | シリコン印象セット |
③ | タービン + ポイント |
④ | コントラ + バー |
⑤ | パラフィンワックス |
部分床義歯の精密印象を行う際のみ、③・④・⑤が必要になることがあります。
2.治療の流れとアシスタント
① 印象の下準備
術者が、個人トレーとモデリングコンパウンドを用いて、印象をとる下準備を行います。下準備のことを、筋形成(きんけいせい)といいます。
- お湯・ガスバーナーとモデリングコンパウンドを準備しておく
- 個人トレーの技工指示書技工物ノートへの記入を行い、印象用の名札を作っておく
② トレーに接着剤を塗布する
個人トレーに接着剤を塗布し、エアーをあてて乾燥させます。
総義歯の個人トレー
部分床義歯のトレー
③ 印象をとる
- アルジネートを練和する
- シリコン印象材を使用する場合は、シリコン印象の準備を行う
④ 対合印象・バイトをとる
概形印象の際にとっていなかった場合のみ、対合印象をとります。
部分床義歯の場合、必要に応じてバイトをとります。アシスタントはお湯を準備します。
⑤ 次回の予約をとる
総義歯の場合、バイトをとるために次回の予約をとります。
症例によって、次のアポイント内容が変わるため、術者にかならず内容を確認するようにしましょう。
3.石膏の盛り方
精密印象は概形印象と同様に、義歯床を作る範囲を考える上で重要な情報をもっています。
歯科技工士に小帯や粘膜の情報を正しく伝えるため、印象の端までしっかりと石膏を盛りましょう。
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第10章 失われた歯を補う治療
STEP1 ブリッジ
STEP2 義歯の概形印象
STEP3 精密印象
STEP4 バイト
STEP5 試適
STEP6 セットと義歯調整
STEP7 粘膜調整
STEP8 リベース
STEP9 義歯修理