合わない義歯によってできた傷などを保護するために、義歯の裏に柔らかいクッション材を貼る治療のことを粘膜調整といいます。柔らかい材料になることで傷への刺激を抑え、治癒を促進させます。
傷が大きい場合には、軟膏を処方することもあります。
STEP7では、粘膜調整を行う際に準備する器具や、治療の流れについて説明します。
1.粘膜調整の準備
① | 粘膜調整材のセット |
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② | 咬合紙 |
③ | ストレート + バー(技工用カーバイドなど) |
④ | スパチュラ |
⑤ | ガスバーナー |
⑥ | 金冠鋏(きんかんばさみ) |
⑦ | 口腔外バキューム あるいは 技工用ゴミ箱 |
⑧ | ワセリン |
⑨ | お湯 |
2.治療の流れとアシスタント
粘膜調整の作業の多くは、術者一人での作業になります。そのため、アシスタントは術者が効率的に治療を行えるように、器具を適切に準備しておく必要があります。
① 咬み合わせを調整する
② 義歯の内面を一層削る
- ストレートに技工用カーバイドバーをセットしておく
- 横からエアーをあてて、削りかすを飛ばす。
③ ワセリンを義歯の外面に塗布する
粘膜調整材が付着してほしくない部分にワセリンを塗って保護します。
④ 粘膜調整材を練和する
練和用のグラスはすべりやすいため、術者が練和する際は、グラスを支えましょう。
⑤ 義歯の内面に粘膜調整材を盛る
義歯の内面に粘膜調整材を盛り、患者さんに装着してもらいます。術者が粘膜調整材を盛りやすいように、グラスを持ってサポートしましょう。
⑥ 余計な粘膜調整材を除去する
余計な粘膜調整材を除去し、きれいに整えます。
- スパチュラとガスバーナーを準備する(術者による)
- お湯を準備する(術者による)
⑦ 次回の予約をとる
再度粘膜調整、あるいはリベース・リラインで次回の予約をとります。
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第10章 失われた歯を補う治療
STEP1 ブリッジ
STEP2 義歯の概形印象
STEP3 精密印象
STEP4 バイト
STEP5 試適
STEP6 セットと義歯調整
STEP7 粘膜調整
STEP8 リベース
STEP9 義歯修理