こんにちは。歯科衛生士の岡崎と申します。
口腔清掃指導の内容、マンネリ化していませんか?
患者さん一人ひとりのニーズに合った指導や情報提供を行うことは、患者さんの知識付けや行動変容へとつながります。
特に、口腔清掃の指導はメンテナンスの基本であり、必須です。
今回は、目的別に歯ブラシの選択方法をご紹介します。
毎回の指導がワンパターン化していると感じるみなさん、普段の指導を改めて見直す機会としてご活用ください。
1.むし歯予防のための歯ブラシ
プラークコントロールが不良な患者さんには、プラークの除去効率性が高いフラットタイプ、刷掃効率の高い歯ブラシの毛質を選択します。
また、口腔清掃の時間を十分に取れる方には、細かいところまでみがけるようなヘッドのコンパクトなものをおすすめしましょう。
口腔清掃の時間が取れない方は、ヘッドの大きな歯ブラシを使用することにより、プラーク除去効率を上げることができます。
おすすめ歯ブラシ① タフト24
タフト24には、次のような特徴があります。
(参照:たふ子おすすめ歯ブラシ tuft24(タフト24)-株式会社オーラルケア)
- 歯肉を傷つけないなめらかなラウンド毛
- 密度が高く清掃効率を上げる24本の毛束
- 水捌けが良く歯ブラシのコシを失わないPBT素材を使用した毛先
- 症状によって選べる6種類の毛先の硬さ
また、さまざまな毛質が用意されているため、歯科衛生士による処方がしやすい歯ブラシでもあります。
患者のお悩みや症状に合わせた処方ができるように、丁寧にカウンセリングを行いましょう。
- ESS:重度知覚過敏、抜歯や手術などで歯肉がデリケート、歯肉が健康な方に
- SS:動的治療中、歯根露出、歯肉が健康な方
- S:歯肉が健康、ブラッシング圧が強い方
- MS:歯肉が健康、かための歯ブラシが好きな方
- M:歯肉が健康、ネバネバしたプラークがある方(※)
- MH: 歯肉が健康、頑固なプラークがある方(※)※ブラッシング圧がコントロールできているか要確認
タフト24の詳細はこちら
おすすめ歯ブラシ② オーラツーミーハブラシスパイラルキャッチ
オーラツーミーハブラシスパイラルキャッチのいちばんの特徴は、「Easyトライアングル」という独自の毛の形状です。
この形状によって、歯間にぴったり入り込み、取りにくい箇所のプラーク除去を簡単に行うことができます。
また、長いネックと、小さなヘッドにより、操作もしやすいのも特徴のひとつです。
オーラツーミーハブラシスパイラルキャッチの詳細はこちら
2.歯周病予防のための歯ブラシ
歯の喪失の一因であり、成人の8割が罹患しているといわれている歯周病。
歯周病の直接的な原因はプラークですが、歯並び、態癖、不適合補綴物、不規則な食生活、喫煙、ストレス、全身疾患、服薬なども、間接的な原因といわれています。
歯周病予防としての歯みがきでは、直接的原因であるプラークの除去が重要です。
歯肉炎や症状が落ち着いている場合は、リスクの高い場所に応じた歯ブラシが必要。ワンタフトブラシの利用もおすすめです。出血の有無にも注意しましょう。
歯周病が重度の場合や急性期の場合は、歯肉が敏感になっており、傷つきやすく出血しやすい傾向にあります。
そのため、毛先の柔らかい歯ブラシや極細毛の歯ブラシがおすすめです。また、歯間ブラシやフロス、ワンタフトブラシの併用も、重要な歯周病予防につながります。
おすすめ歯ブラシ① ルシェロ歯ブラシP-10M/S
歯面のプラーク除去に有効なラウンド毛と、歯周ポケットのプラーク除去に有効なテーパー毛の2種類を使用した「ハイブリッド段差植毛」が特徴です。
また、ルシェロの特徴ともいえるワンタフトブラシを融合させたような先端集中毛が、歯列不正部位や大臼歯部位の口腔清掃効率を向上させます。
ブラシのかたさはM(ふつう)とS(やわらかめ)の2種類があり、Mは歯周病予防やメンテナンス、Sは重度歯周病や歯肉退縮が顕著な部位が多い場合、急性期の炎症が出ている時の使用が適しています。
ルシェロ P-10 Mはこちら
ルシェロ P-10 Sはこちら
おすすめ歯ブラシ② システマ ハグキプラスハブラシ
中央が盛り上がっているタイプの段差植毛なので、バス法でのブラッシングが適しています。
また、高密度の超極細毛のため、敏感な歯肉を傷つけるリスクが少なく、歯肉のマッサージ効果もあります。
ブラッシング圧や歯肉に当てる角度のチェックに重点を当てて指導すると、患者さんも安心して使用できるので、かならず行いましょう。
システマ ハグキプラス ハブラシの詳細はこちら
3.ホワイトニングのための歯ブラシ
ホワイトニング目的で歯ブラシを選択する場合は、ステインを効率的に落とせるような加工がされている毛先のものを選ぶことをおすすめします。
たとえば、毛先の断面が四角くカットされている歯ブラシは、歯磨き粉を保持した上で、歯面にぴったりと当たります。
また、高密度な歯ブラシや、スパイラル形状に加工されている歯ブラシは、歯面のステインを絡めとる効果もあります。
おすすめ歯ブラシ① オーラツーミーハブラシステインクリア
オーラツーミーハブラシステインクリアが採用している断面が四角いステインクリア毛は、歯面との接触面積が広い分、清掃効率が高いのが特徴です。
また、ヘッドがコンパクトなので、細やかな操作も可能です。
オーラツーミーハブラシステインクリアの詳細はこちら
おすすめ歯ブラシ② ルシェロ歯ブラシW-10
毛先はひし形の断面。エッジにかかる“しなり”を利用して、ステインを効率よく除去できます。
また、先端集中毛とフラット形状を合わせた構造になっているため、歯間部などの細かい部位と歯面を同時にみがくことができます。
柄も歯列に合わせて湾曲しており、使用しやすい歯ブラシです。
ルシェロ歯ブラシW-10の詳細はこちら
最後に
歯科専売だけでなく、市販の歯ブラシにおいても、さまざまな種類の歯ブラシが登場しています。
患者さんのニーズや希望に合わせた歯ブラシの選択と、それに伴う歯みがき指導を行うことが重要です。
歯ブラシの種類によって指導のポイントも自然と変わっていきます。
“最近指導がマンネリ化してきたなぁ。”という方は、ぜひこの機会に歯ブラシの選択の観点からも指導方法を見直してみてはいかがでしょうか?