歯科助手と医療事務の違いは?

「このご時世、長く安定して働ける仕事ができたらな…」とお悩みの方は多いのではないでしょうか?

手に職をつけて長く働ける人気の仕事といえば『歯科助手』と『医療事務』があります。

どちらもテレビや広告などでCMを見かけるほど有名な職種ではありますが、二つの職種の具体的な違いはご存じでしょうか?

この記事では「自分が働くのは、歯科助手と医療事務のどちらが良いのだろう?」とお悩みの方へ向けて、二つの職種の違いについてご紹介します。

記事後半では給料のお話にも触れるので、ぜひ最後までご覧ください。

*この記事は2022年7月12日に更新しました

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[目次]

1.歯科助手と医療事務の業務内容
2.業務の決定的な違い
3.キャリアステップの違い
4.歯科助手と医療事務の給料の違い
5.歯科助手と医療事務はどっちがいいの?

1.歯科助手と医療事務の業務内容

歯科助手

歯科助手の主な仕事は、以下の通りです。

  1. 受付業務
  2. 診療補助
  3. 患者対応

小さな歯科医院の場合、上記の3つの業務をすべて行うことが多いです。大きな歯科医院では受付やカウンセリングの専任がいて、歯科助手は診療補助のみを行うこともあります。

また、最近では、上記以外にトリートメントコーディネーターとして患者さんの治療のサポートを行うなど、院長先生の補佐役として活躍している歯科助手の方もいます。
(参照:トリートメントコーディネーターってどんな資格?

より詳しく知りたい方はこちらもご覧くださいね。

「歯科助手ってどんな仕事?」へ

医療事務

医療事務スタッフの主な仕事は、病院や医科クリニック(一般診療所)での医療費の計算と患者さんへの応対です。
(引用:学校法人三幸学園グループ 日本医療事務協会 公式HP

小さなクリニックや病院では、診療している科目のみの対応となりますが、大きな病院の場合、複数の科目にわたる患者さん応対と医療費計算が必要になります。

歯科助手 医療事務
勤務場所 歯科診療所 病院・医科診療所
勤務先の数(全国) 67,874軒 110,850軒
勤務先の規模 約5〜150名 約5〜数千名
診療科目 歯科のみ 診療科によって異なる
受付業務 あり あり
レセプトの作成業務 あり あり
診療補助 あり なし

歯科助手と医療事務の比較(令和2年度医療施設動態調査より、dStyle改編)

2.歯科助手と医療事務業務の決定的な違い

歯科助手と医療事務において、いちばんの違いは診療補助に入るか、入らないかです。

歯科助手

歯科助手は診療補助に入ります。具体的には、治療器具の準備、歯科医師のアシスタント、診療室内での患者さんとのコミュニケーションなどです。

歯科医院によっては、それに加えて受付業務やレセプト業務も、歯科助手の仕事としているところもあります。

仕事選びのときには、診療補助に加えて何をどこまでやる可能性があるのかを確認すると良いでしょう。

医療事務

業務範囲が受付とレセプト作成業務に絞られますが、歯科よりも医科の方が組織規模に幅があるのが特徴です。

仕事選びの際には、病院の規模や診療科目で考えてみると良いでしょう。

3.歯科助手と医療事務のキャリアステップの違い

それぞれのキャリアステップも、診療補助に入るか入らないかという点で大きく変わってきます。

歯科助手

もちろん患者さんの口腔内に触れることはありませんが、歯科助手は基本的に診療補助に入りますので、治療の場にいることが多くなります。

すると、そこから歯科衛生士を目指す方が一定数いて、歯科業界としてもその流れに対してポジティブでいます。
(参照:歯科助手から歯科衛生士へ キャリアアップチャンス!

医療事務

大きい組織に属している場合は、その中でリーダーや管理職を目指すのも一つの方法でしょう。

中には、診療情報管理士医療コンシェルジュなどの資格を取得して、業務の幅を広げる方もいます。対応できる科目を増やしていくことも、業務幅を広げることに繋がります。

4.歯科助手と医療事務の給料の違い

やっぱり気になるのが、お給料の違いですよね。

ここからは、歯科助手と医療事務のお給料の違いについて紹介します。

歯科助手

常勤として働く歯科助手の平均年収は、約314万円です。

歯科医院によっては年俸制のところもありますが、月収にすると21万円~26万円程度が相場だといわれています。

ちなみに、アルバイトや派遣社員の場合は1,084円~1,300円程度が全国平均です。

歯科助手のお給料は勤務地域だけでなく、経験年数や資格の有無によっても左右されます。
(参照:歯科助手の年収・退職金事情。他の仕事に比べて高い?低い?

たとえば、歯科助手に役立つ資格の一つに『歯科医療事務検定』があります。

これは全国医療技能検定協議会が主催する検定試験で、レセプト作成や受付といった事務業務、歯科医師や歯科衛生士をサポートする際に必要な専門知識についての審査を行う試験です。

資格の取得方法は、毎月実施されている試験に受かること。受験資格は特に指定されていないので、団体事務局に連絡して受験票を発行してもらえば試験が受けられます。

医療事務

常勤として働く医療事務の平均年収は約311万円です。

月収の相場は、24万円ほどだといわれています。アルバイトや派遣社員の場合は、961円~1,214円が全国平均です。

医療事務も、歯科助手同様に経験年数や資格の有無が給料や採用を左右します。一方で、それは経験や資格が有利に働くということでもあるのです。

医療事務の資格には、たとえば『メディカルクラーク』があります。これは日本医療教育財団が運営する医療事務技能審査試験に合格することで、資格を取得できます。

医療事務は資格に関連する講座が多くあるので、自分の志望するキャリアに合うものを選びましょう。

5.歯科助手と医療事務はどっちが良いの?

歯科助手と医療事務の大きな違いは、診療補助に入るかどうかです。

どちらも尊い仕事ですが、より患者さんや歯科医療そのものに関わりたいのであれば歯科助手を選んでみるのも良いのではないでしょうか。

最後に、歯科業界から歯科助手という仕事に対して求められていることについてのコメントをご紹介します。

診療中は、治療内容やその時の必要に応じていろいろな器械を使いわけますが…到底歯科医師一人でやっていけません。こういうとき、この歯科医師の仕事に協力し,その仕事の進め方に合わせてサポートしていく人が必要であり…歯科助手はその中でもっとも一般的なものです。
日本歯科医師会 歯科助手資格認定制度より抜粋)

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何から手をつけるべきかわからない場合は、そこから少しずつ勉強をはじめてみてもよいかもしれません。

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参考文献:
医療事務の仕事の年収・時給・給料-求人ボックス給料ナビ
歯科助手の仕事の年収・時給・給料-求人ボックス給料ナビ