お片づけの達人直伝!歯科医院の快適収納術 #02 待合室

こんにちは、歯科助手の松田由紀子です。

第1回では「歯科医院のお片づけプロローグ」として、整理整頓の基本の“き”をご紹介しました。

前回はこちら

お片づけの達人直伝!歯科医院の快適収納術 #01 プロローグ

今回からは、そちらを踏まえて患者さんにも働く人にも快適な歯科医院作りの心がけや院内各所のお片づけのポイントをお伝えします。

皆さんの小さな発見になれば嬉しいです。

また、「もうやっています!」という方も多いと思いますが、そんな皆さんは復習の意味で最後までご覧いただければ幸いです。

#02 待合室のお片づけ

今回は「待合室」のお話です。その前に…皆さん、院外にも目を向けていますか?

地域の皆さんに必要とされる歯科医院であるために、医院周りの掃除はもちろん、自転車の置き方、ゴミの出し方、看板の出し方など、チェックすべき場所は院外にもあります。

これは、来院されている患者さんが気持ち良いだけでなく、これから来院される可能性のある「見込み患者さん」が医院を選ぶポイントにもなります。

院内だけが、私たちの場所ではありません。「徳を積む」そんな気持ちで、医院周りの片づけもどうぞお忘れなく。

では本題です。

医院によって待合室の規模はそれぞれです。しかし、どこの医院にも共通していえることは、医院に入り患者さんが最初にいる場所が待合室ということです。

待合室がきれいだと、それだけで清潔で安全に治療が受けられるイメージを持っていただけます。

さて皆さんは、待合室の椅子に座ったことはありますか?

私は、自院で掲示物の作成を担当しているのですが、完成した掲示物を設置、掲示するときは一度待合室の椅子に座り、待合室を見回します。

また、患者さんのお使いになる入口とは別に従業員通用口がある医院では、毎朝、患者さん用の入口から待合室、診療室を通ってスタッフルームへ入るようにしていました。

理由は、患者さんと働く人では、目線や動線が違うからです。

真逆の目線や動線を意識することで「これは見づらいな」や「これは邪魔だな」や「こんなところが汚れていた!」や「こんなものが見えていた!」という発見が多くあります。

またこれは、院内・院外の掃除の時にもおこなっています。詳しくは診療室の回でお伝えします。

それでは、患者さん目線で待合室を見てみましょう。

やまむら歯科の待合室
やまむら歯科の待合室

掲示物

待合室に、保険証や医療証の有効期限更新ポスターを貼っている医院をよく見かけますが、四隅がめくれていたり、破れていたり、期限が切れているものを貼っていませんか?

また、貼っている=患者さんは認知していると、医院側の自己満足になっていませんか?

貼る場所によっては、文字が小さく患者さんによっては見ていないことがあるため、自院では、このようなポスターは掲示せずに、口頭でお知らせしています。

また設置、掲示するモノはすべてラミネーターを使いパウチをしています。パウチすることでまくれや破けることを防ぎ、統一感がでてスッキリと見えます。

ラミネートした掲示物
ラミネートした掲示物

スタッフ紹介

医院のホームページのアクセス解析をすると、スタッフ紹介ページの閲覧数がとても多いことに驚きます。

患者さんは自分の口をどんな人が診てくれるのか、気になっているようです。待合室にスタッフ紹介を掲示している医院さんもありますが、これも患者さんの安心に繋がる材料になります。

また、待合室はマーケティングに最適な場所です。今後の治療内容や、お口の健康に必要な情報提供をしてみてはいかがでしょうか?

自院では、自費補綴の料金表や当院で受けられる治療のお知らせ、医院ブログをプリントしファイルしたもの、清涼飲料水に含まれる砂糖量の展示などをしています。

院内の掲示物
院内の掲示物
砂糖の含有量を示したペットボトルの掲示物
砂糖の含有量を示したペットボトルの掲示物

掲示物の内容に興味を持ってくださる患者さんは、こちらが説明をする前から情報を知ってくださっているので、お話をする際は大変スムーズです。

収納グッズはデザインや色、サイズを統一することですっきりとした印象を与えます。

これは掲示物や配布物も同じで、目立つようにと凝った配置にしたり色数を欲張ってしまうと、伝えたいことが隠れてしまい逆効果になることもあります。

また掲示物は関連性のあるもの、同じカテゴリーのものをまとめて掲示すると、患者さんも情報を整理しやすいです。医院で作成する際の参考になさってください。

雑誌

待合室に、たくさんの雑誌を置いている医院さんもありますが、基本的に歯科医院は予約制であることから、必要以上の雑誌は不要だと考えます。

もしも雑誌を置くのであれば、破けたものや古くなったものは処分し、患者さんの年齢層に合わせたものをご用意ください。

また、患者さんに知ってほしい記事や、「歯」についての特集が掲載されているけれど、ゴシップ誌など待合室には相応しくない雑誌などは、必要なページを切り取り1冊のファイルにまとめておくのもおススメです。

これは、待合室に限らず、院内やご自宅で増えてしまった専門雑誌等も同様で、必要なページだけを残しまとめることで、無駄を省き自分だけの1冊が作れます。

テレビ

待合室にテレビを設置している医院さんも多いと思います。

こちらも雑誌と同様、患者さんの年齢層に合った番組や歯科の情報を流すなどで、少しの待ち時間も快適に過ごせるように配慮が必要です。

以前、医療機関には到底ふさわしくない番組が流れている医院さんがありました。スタッフさんはそれに気が付くことなくお仕事をなさっていましたが、私たちの仕事は、向かう先に患者さんがいます。

最初から最後まで“これは何のため”や“これは誰のため”そんな気持ちを常に持っていたいと思った出来事です。

生花・観葉植物

患者さんに癒しを与えるため、生花や観葉植物を置いている医院さんは多いですね。

しっかりとお手入れされているお花を見ていると、とても幸せな気持ちになります。ですが、せっかくのお花もお手入れができていなければ逆効果になってしまいます。

そんな時はプリザーブドフラワーやハーバリウムを飾ると、明るく柔らかい雰囲気になるのでおススメです。

プリザーブドフラワーやハーバリウム
プリザーブドフラワーやハーバリウム

キッズスペース

キッズスペースの玩具のお片づけは、どなたがなさっていますか?付き添いのご家族でしょうか?保育担当のスタッフさんや手の空いた受付スタッフさんでしょうか?

遊びはじめからお片づけまで、小さな患者さんができるように元の状態や片づける場所を写真でアシストするとよいでしょう!

これは、私の子供達のお友達が初めて遊びにきた時も効果がありました。小さな患者さん自身が絵合わせ感覚で楽しんでやってくれれば、お片づけもできて一石二鳥です。

中にしまうおもちゃの写真を貼る
中にしまうおもちゃの写真を貼る

次回は、受付周辺の整理収納と、カルテなどの処分についてお話しをいたします。

お片づけの達人直伝!歯科医院の快適収納術

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