歯科衛生士免許を取得している方の中には、「企業で働く」という道を選んだ方々がいます。
令和2年度衛生行政報告例の概況によると、『事業所』に就業する歯科衛生士は全体の0.2%と、非常に希少な存在です。
(参考:全体の1%未満、企業で働く歯科衛生士について解説します!)
dStyleでは、今までに学んだ知識や経験を活かし、企業で活躍する歯科衛生士の方にインタビューを行いました。
歯科医院とはまた違った環境で働く魅力について、語っていただきます。
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今回は、ウエルテック株式会社に勤める吉川知沙さんにお話を伺いました。
歯科衛生士歴8年目の吉川さんは、歯科衛生士学校を卒業したのち、一般歯科での勤務を経て、ウエルテック株式会社に就職。
現在は中学生のお子さんを育てながら、大阪歯科大学大学院に通い、修士号の取得を目指されています。
歯科衛生士になろうと思ったきっかけ
シングルマザーになったことが大きなきっかけですね。
私の母と姉が看護師だったので、「国家資格があって医療職であれば、安定して暮らせる」と漠然と考えていました。
しかし2人が働いている様子を見ていて、夜勤があったり、人の生死に関わったりする看護師ってすごく大変そうだなと感じていました。
そして他の医療系の資格を調べる中で見つけたのが、「歯科衛生士」でした。
歯科衛生士学校入学までの苦難
私が住んでいる京都には、当時歯科衛生士学校が一校しかありませんでした。
さらに社会人入試の場合は、勤務先の歯科医院からの推薦状が必要であったため、まったくの歯科未経験者だった私には大きなハードルとなりました。
そして一度目の受験。推薦状なしで臨んだ私は、不合格という結果に…。
それでも歯科衛生士学校への入学を諦めきれず、その後歯科助手として一年働き、翌年無事に入学することができました。
ただ、歯科助手として働くまでにも結構な時間がかかったんですよね。
未経験の歯科助手を雇ってくれる歯科医院がなかなか見つからず、2〜3軒の歯科医院で不採用になったんです。そしてたまたま近所にあった、ふじしろ歯科医院に雇用してもらえることになりました。
ふじしろ歯科医院には歯科衛生士になってからもお世話になり、歯科助手時代から数えると合計で8年間勤続しました。
当時まったくの未経験で、歯科のことなど何も知らないシングルマザーだった私に、患者さんと向き合う姿勢や医療従事者としての振る舞い、心構えなど、多くのことを学ばせてくれた、私にとってとても大切な歯科医院です。
今でも院長先生やスタッフには仲良くしてもらっていて、社内で使用する媒体資料の写真撮影などにも協力してもらっています。
入社のきっかけ
思えば専門学生の頃から、企業で働く歯科衛生士にキラキラしたイメージをもっていて…憧れていましたね。なので、いつか企業に就職したいと思っていました。
そして新卒でデンタルショーに参加したとき、当時ウエルテックで働いていた歯科衛生士の方にとても親身に相談に乗ってもらったんです。
その方に製品について質問をしたところ、メリットだけでなく、デメリットも交えてお話ししてもらったんですよね。
通常であればメーカーという立場上、デメリットをお客様にお伝えすることはあまりありません。でもその方は、歯科衛生士という等身大の立場で話してくださったんだと思います。
その数年後に、保湿剤について電話で相談したときも、カスタマーセンターの方の対応がすごく丁寧で、それも強く印象に残っていました。
こんなにも親身になってくれる歯科衛生士がいるウエルテックって、信頼できる!と強く思い、入社したいと考えるようになりました。
普段の業務内容
平日の9:30〜17:00までは、カスタマーセンターで一般消費者や医療従事者への対応を行っていることが多いです。
ウエルテック製品をお使いの歯科医院様から電話がかかってくると、電話番号の情報から社内のデータベースに自動的に紐づけられ、どの医院から電話がかかってきたかを把握できます。
資料やサンプルを請求されたときは、すぐにそのデータベースから住所などを確認できるため、スムーズに対応することが可能です。
また、カスタマーセンターでの業務以外にも、歯科医院や病院、歯科衛生士学校で製品説明を行ったり、そのための資料作成を行ったりもします。
カスタマーセンターから依頼してくださった医院や、ディーラーの方から紹介してもらった医院に伺うことが多いですね。
私が担当している地域が中部・北陸・四国地区なので、資料作成のために担当地区の歯科医院へヒアリングしにいくこともありますね。
歯科衛生士学校の場合は、180分の講義時間をいただいて、ウエルテック8製品すべての紹介と、製品を実際に使った実習なども行っています。
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次回は、企業で働く魅力や仕事をする上でこだわっていること、いま取り組んでいることについてお話しいただきます。
お楽しみに♪