わたしのDHスタイル #21 畑岡いづみさん『お互いの健康を気遣えるような関係を築く』

歯科衛生士は社会的価値の高い大切な職業であり、この社会になくてはならない存在です。

dStyleでは、今まさに臨床の現場ではたらいている方々にスポットライトを当て、等身大の歯科衛生士ライフを語っていただきました。

このインタビューが、歯科業界で輝くきっかけになれば嬉しいです。

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今回は、歯科衛生士歴25年目の畑岡いづみさんにお話を伺いました。

卒後まもなく水口インプラントセンターに勤務してから、24年間、院長の水口先生と共に働いている畑岡さん。現在はインプラント専門歯科衛生士と第2種滅菌技士の資格を生かし、フルタイムで勤務しています。

水口インプラントセンター 畑岡いづみさん
水口インプラントセンター 畑岡いづみさん

ひとつの歯科医院で長く勤める秘訣

水口先生が非常に人徳のある方で、歯科衛生士としての経験がなかった私であっても、セミナーに行かせてもらったり、院内での勉強会を開いてもらったりしました。

やはりセミナーに参加すると、診療に対するモチベーションがとても上がります。勉強を通して、衛生士としてのやりがいを学ぶことができました。

また当時は、結婚して妊娠出産を経て職場に復帰するというパターンは珍しかったのですが、ここではそのシステムが20年前から確立されていました。

産休や育休などで少しブランクがあっても、気心の知れた仲間と仕事ができるということも、長続きの秘訣かなと思います。

水口インプラントセンターのみなさんと
水口インプラントセンターのみなさんと

仕事をする上でこだわっていること

とにかく患者さんとの信頼関係を構築できるように心がけています。

これは水口先生の教えでもあるのですが、とにかくコミュニケーションをとるようにすると、信頼関係が構築できあがってくる。そうすると、患者さんの求めていることがわかってきますし、万が一ミスがあった場合でも、最小限に抑えられます。

たくさんのコミュニケーションの中で、その患者さんの家族構成やお仕事、いま置かれている状況などを読み取っていきます。そうしてバックグラウンドを把握することで、「いまこの話はするべきでないな…」といったことを察知し、円滑に治療を進めていけるようになります。

とくに長い患者さんでは24年のお付き合いにもなりますので、年を重ねる中で、身辺に変化があったり大病をされたりと、さまざまなことが起こります。

日常的な会話から、病状や服用薬などの情報を聞き逃さないようにし、その時どきの口腔内の状況に合わせた治療を行うようにしています。

患者さんとコミュニケーションをとることが重要

働く中で、うれしい出来事

患者さんからクリーニングのあとに「痛くなかった」「気持ちよかった」と言っていただけるのが私の中では最高の褒め言葉で、また満足してもらえるように頑張ろう、と思える瞬間です。

また、私がブラッシング指導などを行ったことで、患者さん自身になにか「気づくきっかけ」を与えられ、患者さん自身の意識や行動に変化が見られた時も、すごくうれしいです。

また、一人の患者さんと長く接していると、お互いの健康を気遣えるような関係になれます。患者さんだけでなく、私自身も年を重ねていますので、身体を気遣いあったり、ジムでの成果を励ましあったりということもあります。

私もサポートできることはサポートしますし、患者さんから歯以外のことで教わることもたくさんあります。患者さんと一緒に成長していけるような関係でいられることも、働く中でうれしいことですね。

今までの人生の中で、やっておいてよかったと思うこと

学生時代にソフトボール部に所属していたことは大きかったと思います。

団体競技なので、みんなで力を合わせてひとつの結果を出す。みんながそれぞれの役割をもって、力を合わせて成し遂げたことは喜びが倍増するような気がします。

それは働く上でもとても重要なことで、仕事は一人では成し遂げられないため、みんなの力が必要ですし、みんなが活躍できるような場でないといけないです。

そのために、スタッフのいいところは褒める。いいところは恥ずかしがらずに伝えるというのも、やってきてよかったです。これは患者さんに対しても同じですが…褒めて認めることによって、相手も心を開いてくれるし、頑張ってくれるんですよね。

そうしてお互いの信頼関係ができあがってくると、こういうふうにすればもっとよかったよね、と言った時に、理解してもらいやすくなります。

相手のいいところは認めて、自分に取り入れていく。そして悪いところは正すことで、成長していけるのではないかなと思います。

水口インプラントセンター畑岡いづみさん

おすすめのグッズ

先日参加した海外研修で出会った「TePe GOOD」をおすすめします。

TePe GOODは、環境に配慮された歯ブラシで、製造過程でCO2がほとんど排出されないという画期的な製品。

TePe GOOD(引用:クロスフィールド株式会社)
TePe GOOD(引用:クロスフィールド株式会社)

実際に自分も使っていますが、使い心地もいいと思いますし、雪不足でスキー場が閉鎖されてしまったり、プラスチックの海洋ゴミの影響で、動物たちが死んでしまったりというニュースを見ると、身に染みて危機を感じます。

とくに歯ブラシは使い捨てのプラスチックなので、身の回りのものから変えていく必要があるなと強く思いました。

「TePe GOOD」のような活動が、これからどんどん広まっていけばいいなと思いますし、患者さんにも伝えていきたいと思っています。

これから挑戦したいこと

これまでインプラント治療に携わってきて、勉強を続けている中で、尊敬できる先輩歯科衛生士がたくさんいらっしゃいます。

そういう先輩たちが人生をかけて学んでこられたことを引き継いで、若い世代の方たちに伝えていけるような存在になりたいです。

医療は、日進月歩でどんどん変わっていくため、勉強し続けていかないといけない分野です。学んでいくことで、いろいろな新しい発見もありますし、学んでいくことが楽しいです。

また、学びの場に出ていくことによって新たな仲間ができてきて、情報交換ができます。日常の診察だけを見ていては世界が小さくなってしまうので、どんどん外に出て行って、学ぶことは重要だなと実感しています。

これからも、頑張って先輩方についていきたいなと思います。

ベトナムの提携先インプラントセンターに指導に伺った際に
ベトナムの提携先インプラントセンターに指導で伺った際に

若手歯科衛生士のみなさんにメッセージを!

どんな歯科医院に勤めていても、苦手な患者さんは来院されると思います。

通常、そのような患者さんはスタッフや先生から毛嫌いされて、避けてしまうことが多いと思います。主訴だけ治療して早く終了にしたり、まるで敵であるかのように接してしまったりすることもあるのではないでしょうか?

しかし、当院では当初クレームを言ったり、受付で怒鳴ったりされた患者さんにも逃げずに、より積極的に寄り添って患者さんの信頼を得る努力をしています。そのため初診時に待たされて、怒鳴っていたような患者さんであっても、最後には毎回差し入れを持ってきてくれるような関係になります。

もちろん、そのための忍耐と気配りの努力は大きな負担ではありますが、そのような患者さんの信頼を勝ち得た時には、医院にとってだけでなく、自分自身にとっても大きな価値があり、仕事のやりがいを感じることができます。

私たちは、このような経験を長年の積み重ねてきています。みなさんもぜひ、やりがいをもって働ける場所を見つけてください。

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dStyleでは、“歯科で働く希望と可能性をあなたに”をコンセプトに、さまざまなフィールドで活躍する歯科衛生士の方々へインタビューを行っています。

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