複合型歯周炎へのアプローチが学べる!丸橋理沙さん監修SRPアドバンスセミナーが開催

2023年6月18日、丸橋理沙さん監修「SRPアドバンスセミナー」が開催されました。

今回の講師は、丸橋理沙さんから直々にトレーニングを受け、院内セミナーの講師や、名古屋ユマニテク歯科衛生士専門学校の非常勤講師を務める、歯科衛生士の西田朱実さんです。

今回のアドバンスコースでは、「複合型歯周炎へのアプローチ」について紹介されました。

具体的には、歯周病に関する基礎知識の座学と、10秒で研げるシャープニング、ルートプレーニングの実習、模型を用いての分岐部へのアプローチの実習を行いました。

ではさっそく内容をレポートしていきます♪

シャープニング実習の様子

歯周治療の基礎を体系的におさらい!

西田さんは、セミナーの冒頭で「歯周治療を成功させるには院内で評価基準を揃えておくことが重要」だといいました。

動揺度や分岐部病変を計測する際、担当する歯科衛生士によって評価が変わることがないよう、全員が同じ基準で検査できるように徹底することが大切とのこと。

その上で、座学にて「トリートメントライン」「コミュニケーション術」「細菌学と歯周組織」について詳しく解説しました。

トリートメントライン

はじめに、以下についての解説がありました。

  • 歯周組織の評価方法
  • 歯肉退縮はなぜ起こるのか
  • 必要以上に歯肉退縮を引き起こさないための方法
  • 正確な検査を行い、歯周組織を改善に導くためのトリートメントライン

また、多くの歯科衛生士にとって悩みの種である、患者さんのモチベーションの上げ方の秘訣も教わりました

患者さんのセルフケアに対するモチベーションを上げるためには、スケーリングやPMTCも腕の見せどころだといいます。

さらに、セルフケアグッズを処方する際の声かけの実践方法も学びました。歯周治療中、患者さんのセルフケアの改善がみられず、悩んでいる歯科衛生士には必見の内容だと感じました。

講演中の西田さん

コミュニケーション術

続いては、正しい情報を患者さんから得るためのコミュニケーションのコツについて解説。

私たち歯科医療従事者が考えている「健康」と、患者さんが思い浮かべている「健康」は違うと西田さんはいいます。

セミナーでは、以下についての解説がありました。

  • 患者さんに心を開いて話してもらう方法
  • 患者さんの心に残る伝え方
  • 個々の患者さんに合わせるとはどういうことか
  • 限られた情報の中で相手に合わせるテクニック
  • 患者さんからの信頼を得る秘訣

歯科医療従事者側と患者さんとの間でズレが生じてしまっていたコミュニケーションを、どのように改善し、患者さんとの信頼関係を構築していったのかについて、実際の例に基づいて紹介しました。

問診などで患者さんとコミュニケーションをとる際には、全身疾患が歯科疾患のリスクとなることを伝えることも重要だと伝えました。

細菌学と歯周組織

座学の最後には、スケーリング後・SRP後の再評価のタイミングや評価の仕方、適正な進め方について、細菌学と病理学の観点から解説。

歯肉退縮しやすい歯肉のタイプや、歯肉退縮を起こさず歯周炎が改善した症例を紹介しました

セミナーの教室の様子

歯周治療でおさえておきたいポイント

歯肉縁下歯石の取り残しを避けるためには、「SRP」「ルートプレーニング」「デブライトメント」の違いを理解することが非常に重要と西田さんはいいます。

SRP後に起こる根面のアタッチメントロスは、使用する器具による影響も考えられると伝え、適正な器具の選び方について解説。

そしてSRPを行う条件や、SRPと縁下スケーリングの違いについて説明しました。

私たち歯科衛生士は「診断」をすることはできないが、「診る力」をもっておくことは大事だといいます。

また、歯周治療と咬合の関連や、歯周治療のゴールにおけるキーポイント、複合型歯周炎の難症例を非外科で改善に導いた実例についても紹介しました。

受講者から驚きの声多数!10秒で研げるシャープニング

1時間半ほどの座学のあとは、実習です。

実習の目玉である「丸橋理沙さん流10秒で研げるシャープニング」は必見です!

「すごい!切れる!」という受講生の声があちこちから聞こえてきました。

SRP時に痛みを与えないためには、キュレットの形態が重要といいます。西田さんは実習で、キュレットのメインテナンスを楽にする方法、刃先の形態を変えずにシャープニングをする方法を紹介しました。

続いて、ルートプレーニングの技術の実習です。実習では、自分で思っている以上に、ルートプレーニングの際に力が入ってしまっていると気づくことができました。

また、西田さんは実習で、歯肉縁下歯石が付着している部位を確認するためには、何をする必要があるのかについても解説。

分岐部のSRPテクニックや苦手部位のフォローも、個別に丁寧に指導してもらいました。

実習で丁寧な解説をする西田さん

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座学から実習まで、とても濃い内容のセミナーで、受講生のみなさんは口を揃えて「あっという間だった」といっていました。

実習で技術を丁寧に教わることができ、よく理解できたとの声も多く上がっていたと感じます。

丸橋理沙さん監修SRPセミナーには、ベーシックコースとアドバンスコースがあります。アドバンスコースは名古屋にて開催しており、ベーシックコースは北海道、名古屋、大阪で開催しています。

大人気の丸橋理沙さんの技術を学ぶことができるセミナーです!

ご興味がある方はぜひご参加くださいね♪

TeamGLWB主催 丸橋理沙さん監修SRPアドバンスセミナー

日時:2023年9月10日、12月3日、2024年2月4日いずれも(日)
会場:名古屋市内
費用:49,000円
お問い合わせ先:rdh7.0203@gmail.com
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