千葉県にあるしらとり歯科・矯正歯科で、副院長・トリートメントコーディネーターとして働いています白鳥真理と申します。
この記事では、歯科助手として働く上で取得して良かったと思う資格や、その資格の活用方法をご紹介いたします。
第1回では、資格取得のきっかけと、コミュニケーションスキルのアップに役立つ「デンタルカウンセラー」の資格についてご紹介いたします。
資格を取ろうと決めるまで
今年、歯科助手としてこの仕事をはじめて、11年目を迎えました。
私は小さい頃からむし歯がほとんどなく、歯科での治療を受けたことがなかったため、歯科医院には無縁の存在でした。
大学卒業後も一般企業のOLを7年間していたので、まったくの歯科素人の状態で、この仕事をはじめました。
なので、「歯科助手」という仕事自体、何をするのか最初はほとんど知りませんでした。
働く中で感じたことは「歯科助手」って資格もいらないし、とりあえずバキュームを持ったり器具の準備をしたり会計したりしていればいいのか、ということ。
最初のうちはそれでもよかったのですが、受付で仕事をしていた時に、
「この治療っていつまで続くの?」
「いま治療している歯って最後どうなるの?」
などといった質問をしてこられる患者さんが多くなってきました。(診療室でも一応説明をしていることですが…)
ただただ業務をこなせばいいと思っていた私は、そんな患者さんの質問に答えることができませんでした。
その時、お口の中はさわれなくても、いろんな知識を身につければ患者さんのお役にもっともっと立てるのではないか?
国家資格がなく、なんだかちょっとうしろめたいところがあったのですが、「歯科助手だからできること」があるのではと思い、医院で生かせるアイテムを取得するべく、調べていきました。
そこからいろんな視点での学びを身につけ、さまざまな分野で資格を取得しました。
- JDHA認定 デンタルカウンセラー
- JDHA認定 プロアシスタント資格
- 健康管理士 1級
- 千葉県糖尿病療養支援士 2種
- イートライトサポーター
この記事では、上記の資格について、なにかの参考になればと思い、お伝えしていきます。
歯科助手として働く皆様のお役に立てればと思います。
volume1.デンタルカウンセラーができること
歯科助手は、できる仕事の範囲は決まっていますが、中でも一番発揮できるものとして「患者さんとのコミュニケーション」が大きいと思います。
歯科医療従事者の中で一番患者さんの立場に近い分、患者さんの気持ちが理解しやすいと考えています。
実は、私はここがとーーーーっても苦手でした。
受付にいてもただただ必要最小限のことを話すだけ。
友達や親しい人と話すことは好きですが、仕事となるとあまり興味がないことも聞かないといけないし、伝えないといけない。
そう思うと躊躇してしまうことが多く、会話が止まってしまうことが度々ありました。
「なんか私と話をしていても楽しくなさそうだなー」と感じつつ、その理由がどうしてなのかが当時の私はわかっていませんでした。
また、私は話を聞いているつもりだったのに、患者さんが話し終わったあとに「あっそうですか…」となんの悪気もなくお返事をしたところ、「本当に俺の話きいているのか?」と怒られたこともあり、かなり自信をなくしたこともありました。
歯科での仕事をはじめて半年が経った頃、医院でもカウンセリングを取り入れることになり、歯科助手として、患者さんの話を聞いてほしいということで、カウンセリングを任されることになりました。
このままじゃまずい!と思って受講をしたのが、株式会社オフィスウエーブのデンタルコーチング術®️セミナーでした。
セミナーの詳細はこちら
この1日のセミナーを受講すると「JDHA認定 デンタルカウンセラー 3級」の資格を取得することができます。
さらに、「JDHA認定 デンタルカウンセラー 1級」が取得できるTC塾というセミナーもあります。
デンタルコーチング術®️セミナーとの違いは、3日間の短期集中コースを受けることで、さらに深く患者さんの深層心理をお聴きできるようになること。そのため、患者さんの未来像を共有できるようになり、関係性を深く構築できるようになります。
TC塾の詳細はこちら
セミナーの中で、衝撃的だった内容が「話を聞く」のではなく目や耳や心、全身を使って「話を聴く」ということ。
そして、患者さんに自立して診療を受けていただくためのコミュニケーション方法があるということでした。
病院での医院と患者さんとの関係性というのは、今までは医療従事者が上で、患者さんには選択権がない。説明を聞き、お医者さんの言う通りにしないといけないというのが、私自身も当たり前だと思っていました。
このことを学ぶまでは、患者さんからお話を聴くと
「銀歯にされた」とか
「歯をたくさん抜かれて入れ歯にされた」
というような、受け身の姿勢で治療を受けていた方が多かったです。
しかし、デンタルカウンセラーとして、ただただ一方的な説明ではなく、患者さんのお気持ちを聴くことで、患者さんが自ら、どんな想いで歯科医院にこられたのか?ということや、口腔内をよくすることで叶えたいこと、やりたいことなどをたくさん伝えてくださるようになりました。
まず最初にお話を聴いたり、治療の相談を受けていく中で、お口の中を触ることはできなくても、患者さんが私のことを信頼してくださるようになったのです。
そうすると、直接指名で「また相談のってくれる?」などと言ってもらえるようになったり、「歯が良くなって人と話すことが楽しくなってきたし、食事もできるようになり、歯医者にきてあなたに相談に乗ってもらえて、人生変わりました」と伝えてくださった方も。
歯科の人生への影響力の大きさを感じ、そこに関われることに、やりがいを感じるようになりました。
もうひとつ、この資格を取ることで変わったのが、スタッフとの関わり方です。
スタッフから相談を受けた時に、今までは自分の考えだけを伝えたり、なにか元気がないなと思い、「大丈夫?」と聞いても「大丈夫です」という返事しかもらえなくて、でも実際は大丈夫じゃなくて、退職してしまったということがありました。
しかし、デンタルカウンセラーの資格を取得してからは、質問の方法を工夫することで、スタッフの深層の部分まで聴くことができるようになり、スタッフの目標達成のお手伝いや悩みごとがある時など、自主的に考えられるようなサポートができるようになりました。
コミュニケーションスキルは、歯科助手として働く上で、最強のアイテムです。
デンタルカウンセラーなどの資格取得は、スキルアップの糸口になると思います。
このアイテムをたくさんの歯科助手さんに身につけていただきたいです。
JDHA認定 デンタルカウンセラー おすすめ度
取得難易度 ☆☆☆
実践度 ☆☆☆☆☆
コミュニケーションスキル ☆☆☆☆☆