わたしのDHスタイル #24 深川優子さん『社会に通用する歯科衛生士になるには』

歯科衛生士は社会的価値の高い大切な職業であり、この社会になくてはならない存在です。

dStyleでは、今まさに臨床の現場ではたらいている方々にスポットライトを当て、等身大の歯科衛生士ライフを語っていただきました。

このインタビューが、歯科業界で輝くきっかけになれば嬉しいです。

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今回は、歯科衛生士歴37年目の深川優子さんにお話を伺いました。

学生部からの紹介で、現在の職場 第一生命日比谷診療所に新卒から在籍。現在はチーフとして働くかたわら、スタディグループNewEraの主宰をしています。

第一生命日比谷歯科診療所 深川優子さん
第一生命日比谷歯科診療所 深川優子さん

普段の業務内容

会社の社員や被扶養者の方の予防業務と診療補助、受付をやっています。

事務仕事も多いです。診療予約システムを管理したり、社内情報誌「日比谷診療所だより」を持ち回りで作ったり。

また、従業員が50人以上在籍している事業所なので衛生委員会があり、その事務局も担当しています。先日、第二種衛生管理者の資格を取りました。

会議室を予約したり参加者のスケジュールを調整したり、議題を提案したり…仕事の半分が事務仕事の日も多いです。

90年代後半に1人1台PCが貸与されたので、PCインストラクターの資格を取って、患者さんへの説明資料を作ったり、社内の診療予約システムを作ったりということもしました。

メールのやりとりは絶対なので、文章は打てないといけない仕事です。

New Era立ち上げのきっかけ

2006年にmixiのコミュニティ「ベテラン歯科衛生士の道」をつくって、そのメンバーが500名を超えた時に「深川塾」としてオフラインセミナーを開催しました。

それから10周年を迎え、令和という新しい時代になったこともあり、「NewEra」に名前を変えました。

もともと反応がかえってくることが好きで。自分がつくった予約システムから申込みがあったり、会社のHPに作った相談コーナーに、実際に相談をもらえるとか。そういうことが嬉しくって。

それで、mixiのコミュニティを立ち上げてみて、そこに当時上司だった安田登先生からご指導いただいた内容や、商業誌で読んだ内容などを、いろいろな情報を投稿していきました。

そうすると、メンバーからの反応がすごい良かったり、質問をもらったり、他のメンバー同士で質疑応答が行われていたり…

単純にやりとりが楽しかったんです。それが、関東の衛生士だけでなく、地方の方もいて。

また、自分の講演会の宣伝を載せると、そこから申込みいただくこともありました。実際に会場でメンバーの方にお会いして、勉強会やりたいよね、といってはじまったのが「深川塾」です。

その頃から一貫して、“ハードルは低く。でも、志のある、アツい衛生士さんいらっしゃい”というスタンスでやっています。

一人職場であることが多い歯科衛生士が、一歩外に出て他の歯科衛生士と知り合うことで、仕事に対するモチベーションを上げられたら、そして、歯科衛生士の仕事を長続きさせるきっかけになれたら嬉しいですよね。

今では、近場に住むメンバー同士で勉強会をしたり、旅行にいったりもしています。

また、参加者には歯科衛生士だけでなく、メーカーや出版社の方もいます。

ここに集まる人たちは何かしたい!とくすぶっている歯科衛生士も多いので、そういう方にとって次のステップの場になっているのも、NewEraの特徴です。

NewEraの勉強会の様子
NewEraの勉強会では、会場手配から司会まで務める

仕事をする上でこだわっていること

多様性を理解するようにしています。さまざまな年代や環境の方が来院する歯科では、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を払拭する必要があります。

また、歯科衛生士以外の世界に目を向け、視野を広く持つようにも心がけています。時事ネタや社会の知識があると、患者さんとの会話の幅が広がりますよね。

専門知識だけでなく、社会のことを知らないと、社会に通用する歯科衛生士になれません。

働く中で、うれしかった出来事

いちばん歯科衛生士を辞めたくないなと思ったのは、患者さんとコミュニケーションがとれる仕事だと実感した時です。

保健指導などで人に説明する機会が多い歯科衛生士は、どうしたら相手に分かってもらえるかを考えながら話すスキルが身につく仕事です。

衛生士って肉体労働なので、すんごい疲れるんです。でも、患者さんの質問に的確に答えられたり、自分のOHIがあたった時(うまくいった時)は本当にうれしいです。

そのためにはメーカーさんから話を聞いたり本を読んだりして、新しい情報を常に取り入れていないといけません。

知識をアップデートせず、ただ漠然と日々を過ごしてると、PMTCの時にガンガンに研磨して歯質を傷をつけてしまっていた、なんてことも起こりえます。

今の職場は成人期の患者さんがほとんどなので、自分の専門としている知覚過敏についての知識を提供することで、患者さんの口腔状態がよくなるとうれしいです。

今までの人生の中で、やっておいてよかったと思うこと

ありきたりですが、学生時代から歯科医院でアルバイトをしていたことは良かったです。

バキュームのテクニックやアルジネートの練り方といった初歩的なことですが、スムーズに臨床に入れました。

また、PCインストラクターの資格も取得してよかったです。

パワーポイントを使ったプレゼンを先駆けて行ったり、診療データをエクセルで演算して上司に報告したりと、とても役に立ちました。

他にも、Tea Coordinatorの資格を取得していたおかげで、連載の機会をいただくことができました。

歯科とは直接関係ない資格ですが、コーヒーより紅茶が好きな歯科衛生士が多いというのもあり、話のネタにも重宝しています。

深川さんが作製した部署のHP
深川さんが作製した部署のHP

オススメの器具

一つ目はLunos® Prophy Paste Two in One

知覚過敏を引き起こすきっかけのひとつに、象牙質が削れてしまうことが挙げられます。

そのため、こちらのペーストはRDA 28と研磨粒子がかなり細かいため、歯面に優しく、損傷の少ないPMTCを行うことができます。

Lunos® Prophy Paste Two in One
Lunos® Prophy Paste Two in One

日々、さまざまなペーストや器材を試しているのですが、今はこれがいちばん良いです。

また、院内の感染管理には、DURRのハイジーンシステムがおすすめです。

DURR DENTAL ハイジーンシステム
DURR DENTAL ハイジーンシステム

近年、とくに感染対策の必要性が謳われていますが、こちらは滅菌前の洗浄やユニット周りの除菌が時短で済むんです。

また、バクテリアや真菌、ウイルスなど広い病原体に対応しているので、これ1本で効果的に除菌ができます。

より使いやすく、より時短で。いろいろな製品を使ってみて、いちばん効果の高いものを選ぶようにしています。

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dStyleでは、“歯科で働く希望と可能性をあなたに”をコンセプトに、さまざまなフィールドで活躍する歯科衛生士の方々へインタビューを行っています。

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