ウワサのTC #01 占部直子さん『本物のTCを増やしたい』

歯科医院で働くスタッフの中には、「トリートメントコーディネーター(TC)」として勤務している方々がいます。

患者さんにわかりやすく治療内容を説明するだけでなく、歯科医院の経営にも大きく関わる役割を持っているため、今後の活躍がますます期待されています。
(参照:トリートメントコーディネーターってどんな資格?

dStyleでは、そんな現場で大活躍する「ウワサのTC」にインタビューを行いました。

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今回は、TC歴7年目の占部直子さんにお話を伺いました。

占部さんは、大阪の医療法人城彩会 城彩会歯科ガーデンクリニックで、トリートメントコーディネーターとして勤務しています。患者さんへのカウンセリングだけでなく、法人全体のマネージャーとしても歯科医院の経営に大きく関わっています。

また、TCマスターカレッジでは認定レギュラー講師を務め、TCの育成にも力を入れています。

トリートメントコーディネーター 占部直子さん
トリートメントコーディネーター 占部直子さん

TCになるまでの働き方

はじめは受付としてパート勤務していました。
そのうちに歯科助手業務をはじめ、院長の秘書業務などにも携わりはじめたころ、TCという職業を知りました。

TCを目指したきっかけ

私の患者さんへの応対を評価してくれた当時のチーフが、「TCという仕事があるから、目指してみたらいいんじゃない?」と声をかけてくれたことがきっかけです。

「存在意義の高い仕事をしたいけれど、国家資格のない私なんて…」と医療業界に対して常に劣等感があったので、「これはチャンスだ!!」と感じ、すぐに「TCになりたい!」と宣言しました。ですので、もともと国家資格に対するコンプレックスを抱えていたことも、きっかけのひとつです(笑)

現在の歯科医院のシステムについて

当院では、7年前に現在のカウンセリングシステムを構築しました。「すべての“患者様”に全顎カウンセリング」を徹底しており、患者さんに「全顎治療」と「その後はメインテナンスへ通院されること」の重要性をお伝えしています。

TCは、初診カウンセリングや全顎カウンセリング、補綴などのカウンセリング、お問い合わせ窓口、クレーム対応などを担当しています。

当院のスタッフは分業制で、それぞれの役割に責任をもって従事しています。スタッフ全員でひとつのチームと考えており、患者さんの治療内容は全員が把握できるように情報共有しています。

カウンセリングを行う占部さん
カウンセリングを行う占部さん

現在のカウンセリングシステムが確立されるまで

はじめは、歯科医師からカウンセリングの指示があったときだけ、チェアサイドで補綴やインプラントのカウンセリングをしていました。自分で作った資料などを使って行っていたので、すべて自己流でした。

しかし、いまいち自分のカウンセリングに自信が持てず悩んでいたところ、TCとして活躍されている鈴木誓子さんを紹介していただき、師事しました。

鈴木さんのTCとしての心がまえから患者さんへの寄り添い方、ツール等のカウンセリングシステムまで、真似できることは何でもしました。

学ぶことは真似ること」という言葉がありますが、真似をすることによって、それまでのカウンセリングでは得られなかった自信と、患者さんからの感謝の言葉をいただくことができました。

TCの魅力ややりがい

「なぜTCが歯科にしかいないのか?」と不思議に思うくらい、必要性の高い職業だと思っています。

「カウンセリングだけのために患者さんは来院してくれるんですか?」と他院の方から聞かれることがありますが、カウンセリングだけでも当然患者さんは来院してくださいます。

患者さんの大多数は、「ありがとうございます。これからよろしくお願いします。」と全顎治療を前提に、前向きに帰っていかれます。
その姿に「よし!最後までサポートしていくぞ!」と気合いも入りますし、患者さんの状態が良くなっていくことを想像して一緒にワクワクさせてもらっています。

ささいなことでも、患者さんから名指しで相談されると「頼りにしていただけているんだな」と自分の存在意義をしっかりと感じられるので、とてもやりがいがあります。

カウンセリング以外のときも、患者さんが私の顔を見て安心した笑顔を見せてくれるときは、とても嬉しいですね。

カウンセリング中、楽しく会話する様子
カウンセリング中、楽しく会話する様子

カウンセリング時の必需品

当院では、患者さんご自身の状態をお伝えするために、口腔内写真(9枚法)やスタディモデルを資料としてとらせていただいています。

カウンセリング時はその資料とあわせて、顎模型や補綴サンプルを使います。

ニッシンの顎模型は歯牙が取りはずせるので、歯根の数や形を見せたり、欠損歯を放置した場合の歯牙の挺出やフレアアウトなどを表現したりすることができます。矯正の説明にもとても役立っていますね。

ニッシンの顎模型
ニッシンの顎模型

また、修復物や補綴物が一列に並んでいる模型は、それぞれ取りはずすことができます。触って見比べることで違いが分かりやすく、補綴カウンセリングには欠かせません。

修復物や補綴物が一列に並んでいる模型
修復物や補綴物が一列に並んでいる模型

また、和田精密のインプラント模型は、単純で分かりやすく、オペを怖がる患者さんでも抵抗なく見ていただけます。

和田精密のインプラント模型
和田精密のインプラント模型

カウンセリングで用いた資料は、すべてオリジナルのフォルダーに入れてお渡しています。

今後の目標

当然ではありますが、私自身の実力をもっと伸ばして、もっとたくさんの患者さんや歯科医院、地域医療に貢献できるよう邁進したいです!一方で、TCの重要性を感じている分、後輩の育成も重要だと考えています。

現在、院内にはもう一人TC歴3年のスタッフがおり、日々成長して着々と実力をつけながら、活躍してくれています。
同じ歯科医院にTCは何人いてもいいと思います。ただ、「本物のTC」でないと意味はないと思っています。

私は現在、「本物のTC」を育成するTCマスターカレッジで講師をしています。そのため、勤務先だけでなく、これからTCを目指される全国の方をサポートし、日本にもっともっとTCを増やしていきたいです。

勤務先

医療法人城彩会 城彩会歯科ガーデンクリニック 公式HPへ
医療法人城彩会 城彩会歯科ガーデンクリニック 公式HPへ

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dstyleでは、“歯科で働く希望と可能性をあなたに”をコンセプトに、さまざまなフィールドで活躍するトリートメントコーディネーターの方々へインタビューを行っています。

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