歯科衛生士の大手プロダクション「株式会社D.HIT」が、フランクミュラーのオーラルケアセットを開発!

昨年、私が経営する株式会社D.HITは、有名ブランド「FRANCK MULLER(フランクミュラー)」が発売したオーラルケアセットの開発に携わった。

私と一緒に、オーラルケア商品を作りませんか?

きっかけはその一言からだった。

今回は、フランクミュラーとのコラボが実現するまでの経緯や、商品開発でこだわった部分、この商品を通して私が伝えたいことなどをご紹介したい。

きっかけは突然に…

今からさかのぼること一年半前、私は知人からランチ会に誘われ、楽しいひと時を過ごしていた。

そこで偶然居合わせたのが、高級時計で有名なフランクミュラーの社長だった。

当然、初対面である。一通りのあいさつを行った後、光栄なことに社長自ら自社商品の紹介をしてくださった。

フランクミュラーでは、時計だけでなく食器や家具、化粧ブラシなど幅広い商品を展開していること、そしてすべての商品は「時を共に楽しむ」というコンセプトのもとに生まれていることを教えてくれたのだ。

私は非常に感銘を受けるとともに、この出会いにどこか「運命」を感じた。

以前私は、全国の歯科衛生士と共同で「&DH」というオリジナルの歯磨剤を開発した。
(参照:歯科衛生士物語〜1000人のDHが歯磨き粉を作るまで〜

オーラルケアは、誰もが行うことであるが、「楽しむ」という観点よりかは、日常生活において「当たり前に行う」という意識の方が強い。

しかしこの歯磨剤は、「人々が自身のオーラルケアに対して意識をもち、その時を楽しんでほしい」という思いから作ったのであった。

フランクミュラーのコンセプトと共通するものを感じた私は、社長にこう伝えた。

「私と一緒にオーラルケア商品を作りませんか?」

今思い返すと、初対面で突拍子のないことをいってしまったと思うのと同時に、自らの“思い立ったらすぐ行動”という性格に感謝したい気持ちもある。

そして一ヶ月後、ようやくコラボ商品の話を進めることができた。

私自身も、自社商品が他社とコラボするということは初の試みであったため、不安よりも未来への期待の方が勝っていた。

しかしそこからは、決して順風満帆にはいかなかったのである。

「フランクミュラー」というブランドカラー

いちばん苦労した点は、なんといっても「デザイン」だ。

フランクミュラーといえば、鮮やかな色使いとビザン文字と呼ばれる特徴的なデザインがトレードマークであり、初めはそのデザインをそのまま歯磨剤のパッケージにするという案があった。

しかしながら、今までの歯磨剤に使用されるパッケージから考えれば、かなり斬新なデザインになるわけである。

従来のパッケージデザインというのは、どのメーカーの商品をみても色使いが3色までとなっており、いわば「万人受けするデザイン」が主流だからだ。

フランクミュラーというブランドカラーをできるだけ残しながら、今までにないパッケージデザインにするためにはどうしたらよいか?何度も何度も試行錯誤を繰り返した。

そうして生まれたパッケージデザインは、フランクミュラーのブランドカラーでもある濃紺を基調とした、シンプルかつ上品なデザインに統一したもの。加えて、そこに全面マット加工を施すことにより、全体的に高級感をもたせた。

また、歯磨剤のキャップについても、もともとは真っ白だったキャップに何色もある紺色から選び抜いた物を混ぜ合わせ、ブランドカラーを忠実に再現した。

肝心の中身の歯磨剤は、自身と1000人の歯科衛生士が共同開発した歯磨剤「&DH」を使用し、デザインに劣らず、ハイクオリティな商品とした。

フランクミュラーのブランドカラーでもある濃紺を基調とした、シンプルかつ上品なデザインに統一した
フランクミュラーのブランドカラーでもある濃紺を基調とした、シンプルかつ上品なデザインに統一した

「歯科衛生士監修」を体現するために

そして歯ブラシに関しても、歯科衛生士が監修した歯ブラシということを体現するために、何度も改良を重ねた。

まずはSDGsの観点から、ハンドルやヘッドといった植毛部を除く、すべての材質に竹を使用し、一つひとつ手作業で削り出しを行った。

そのため、天然素材ならではの温もりと色合いを感じられる歯ブラシとなっている。

従来の竹製の歯ブラシは、植毛の工程に耐えられるよう、ヘッド部分が非常に大きくなってしまうことが多い。

しかしそれでは口が小さい日本人には不向きであるため、「歯科衛生士監修」という強みを活かして、植毛部は限界まで薄くし、最後臼歯部にも届きやすいような加工を施した。

もっとも苦労したデザインについても、かなりこだわった。

ハンドル部分には、フランクミュラーの文字を彫り込み、一目見ただけで「ハイブランドの歯ブラシ」ということがわかるようにし、ハンドル背面にも、まるで刺繍のようなデザインを彫り込むことで、日常のオーラルケアを行う時間においても、特別感を味わえるようなデザインとした。

この素晴らしいアイディアは、私自身ではなく、フランクミュラーの社員の方から提案していただいたものである。

また、いつでも持ち運びがしやすいよう、歯ブラシや歯磨剤をいれるケースにもこだわった。

従来のようなケース型ではなく、いつでも洗えて常に清潔が保てるよう、今治タオルを使用した。こちらのデザインも、ブランドカラーである濃紺を基調とし、そこに金色のビザン文字を刺繍し、非常に上品なデザインとなった。

刺繍のようなデザインを彫り込んだ背面のデザインと、清潔感を保てる今治タオルのケース
刺繍のようなデザインを彫り込んだ背面のデザインと、清潔を保てる今治タオルのケース

オーラルケアを「ギフト」として贈る

そして今回、コラボ商品の開発を行うにあたって、「美と健康をギフトに」というプロダクトテーマをかかげ、そのテーマとともに長い年月を併走してきた。

一般的にオーラルケア商品は、ギフトとしての候補にも挙がらず、受け取る側からするとむしろ多少なりと抵抗感があるかもしれない。

しかしそういったイメージを払拭し、「オーラルケアをギフトとして贈る文化を築き上げたい」という思いから、ギフトとしても違和感のないような、オリジナルのギフトボックスを起用した。

今回の商品をすべて収納することができるギフトボックス
今回の商品をすべて収納することができるギフトボックス

開発した商品を通して、私が伝えたいこと

こうして、「時と美の両方を楽しむことができるオーラルケア商品」が完成した。

まずはこの場を借りて、この商品に携わってくださったすべての方にお礼を申し上げるとともに、私自身がこの商品を通して伝えたいことを二つ述べたい。

一つ目は、この商品をきっかけとして、オーラルケアがいま以上に意識されるものとなり、結果として日本全体のデンタルIQの向上に繋がってほしい、ということだ。

残念ながらわが国は他国と比べると、自身の口腔内への興味も薄く、実際の歯科医療においてもまだまだ「治療>予防」となっているのが現状だからだ。

また、予防のスペシャリストである「歯科衛生士」という職業がいま以上認知されることも切に願っている。

二つ目は、自身の性格の話にもなるが、思い立ったらすぐに行動をしてほしい、ということだ。

前述した通り、今回の商品が生まれたきっかけは、相手がどう感じ取るかということよりも、まずは自身の思いを大切にして発言したことにある。

その結果として、今回の話が成立したように、「人生は思った通りにならないが、言った通りになる」ということを、身をもって経験したのである。

こうして一年半という長い年月をかけて実現した今回の商品には、私の熱い思いがこもった商品となった。

何気ないオーラルケアの時間を、楽しみ、特別な時間に。そして、この商品が多くの人々に愛されることを願って。

最後に、この商品を開発する源となった「私が歯科衛生士である」ということに誇りと自信をもち、一歯科衛生士として、「歯科衛生士」という職業が今よりも社会的価値を向上できるようこれからの活動に日々邁進していきたい。

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フランクミュラーオーラルケアセットの取り扱い店舗は、以下の通りです。

◆ フランク ミュラー ウォッチランド東京
東京都中央区銀座5-11-14
営業時間:12:00~19:30
電話番号:03-3549-1949

◆ フランク ミュラー ジュネーブ<GINZA SIX>
東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 2F
営業時間:10:30~20:30
電話番号:03-3569-0660

◆ フランク ミュラー ウォッチランド大阪
大阪府大阪市中央区南船場3-9-15
営業時間:12:00~19:30
電話番号:06-6251-4101

FRANCK MULLER e Boutique
※ 1月18日からオンライン販売開始