みなさんこんにちは。予防審美専門歯科衛生士の井上ゆうです。
最近よく耳にする、「パウダークリーニング」や「ジェットクリーニング」。みなさんのクリニックでは、すでに行われていますか?
私たちがどんなに細心の注意を払っていても、ロビンソンブラシやラバーカップ、研磨剤を使用するPMTCでは、どうしてもエナメル質にダメージを与えてしまいますよね。
この連載では、エナメル質へのダメージを減らすことができる「パウダークリーニング」の魅力について解説します♪
前回の記事はこちら
前回は、パウダーの種類についてお伝えしました。
今回からは、パウダー機器(パウダークリーニング専用の機器)の種類について、詳しくお話していきたいと思います。
ハンディータイプのおすすめポイントとは?
パウダー機器には、大きく分けて2種類あります。
一つは、タービンホースに接続して使えるハンディータイプで、もう一つはテーブルトップタイプ、独立型ともいわれているタイプです。
今回は、前者のハンディータイプの魅力からご紹介します!
ハンディータイプの機器の魅力は何といっても、手軽で便利なところ。タービンホースに接続して使うため、どのユニットにも簡単に移動が可能で、とても便利です。
さらに、パウダー自体も以前とは違って詰まりにくい設計になってきたので、連続使用時間が長くても快適に使えるようになってきました。
最近では機器の種類がさらに進化し、大きく分けると以下の3種類がよく使われています。
- 歯肉縁上にあるエナメル質の強固なバイオフィルムや着色を除去するのに特化したタイプ
例:プロフィーフレックス4(カボデンタルシステムズ)
クイックジェットM(ヨシダ)※ 炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムを使用した場合 - 歯肉縁下のバイオフィルム除去に特化したタイプ
例:エアフロー ハンディ3.0(EMS)※ エリスリトールを使用した場合 - 深い歯周ポケット内のバイオフィルム除去に特化したタイプ
例:ペリオメイト PER-KV-P(ナカニシ)※ ペリオメイトノズルチップを使用した場合
どれがいちばん良いですか?と質問されることがありますが、パウダー機器については歯科医院の方針にしたがって購入することをおすすめします。
たとえば、着色除去に特化して使いたいという場合は ① を、 歯肉縁下のバイオフィルムをコントロールするために使いたいという場合は ② 、歯周ポケットが深い患者さん専用で使いたい場合は ③ というような具合です。
しかし、① 〜③ すべてを一台の機器でまかないたい!という歯科医院も多くありますよね。
実はハンディタイプのパウダー機器にも、そういったマルチタイプの製品があります。 一方で、そういった機器にはやはりデメリットを感じることも。
ここからは、あくまでも私の経験上の話なので、参考までにお聞きくださいね。
一台ですべてまかなえるマルチタイプは、私の今までの臨床経験上、各パウダーの特性を最大限に活かせないことが多くあるように感じました。
機器自体がそれぞれのパウダーに特化していないため、いくらパウダーが最新でも、その特長を100%活かしきれていないというイメージです。
やはり、最新のパウダーを使うのであれば、そのために開発された機器を使用するのがいちばんかと思います。
パウダー機器を選択する際は、 上記のようなポイントを参考にしていただけると嬉しいです♪
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いかがでしたか?
私は、これから日本でもパウダークリーニングが主流となる時代がくるのではないかと思っています。
この連載を読んで、低侵襲なメインテナンスをご提案、ご提供したいと思う歯科衛生士の方が少しでも増えてくれると嬉しいです。
次回は、テーブルトップタイプのおすすめポイントについてお話しします。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
着色除去するだけじゃない!パウダークリーニングの魅力
vol.1 使用するパウダー4種類
vol.2 ハンディタイプのおすすめポイント