全国各地で活躍されている歯科衛生士のみなさん。
他の歯科衛生士はどんな環境で、どんな仕事をしているんだろう?と、気になることはありませんか?
そこでdStyleでは、姉妹サイトWHITE CROSSの歯科衛生士会員を対象に、アンケートを実施いたしました。
今回ご協力いただいた方々の総数は、なんと158人。(みなさまありがとうございます!)
日々の業務やニガテな治療など、お答えいただいた回答を、これから数回にわたって発表していきますよ〜!
前回までの結果発表はこちら
第1回 歯科衛生士になったきっかけ
第2回 いまの職場の満足度とその理由
第3回 得意な治療とニガテな治療
Q1.オススメの歯ブラシは?
第4回は、おすすめの歯ブラシについての調査結果を集計しました。
今回のアンケートでは、ライオンのシステマシリーズが35人とトップに。
続いて、ルシェロシリーズ、TePeシリーズ、タフト24、CURAPROXと、歯科衛生士のみなさんなら一度は使ったことがあるような、有名ドコロの歯ブラシが名を連ねています。
アンケート結果のランキングに沿って、各メーカーの歯ブラシについてご紹介します♪
1位 システマ(ライオン歯科材株式会社)
歯間ブラシとともに歯科医院でも多く取り扱われているシステマシリーズの歯ブラシ。その中でも、システマ44Mが断トツの人気でした!
システマ44Mは、ライオン独自に開発された「スーパーテーパード毛」によって、歯肉縁上だけでなく歯肉縁下のプラークを除去することができます。そのため、歯肉への負担が少なく、歯ブラシをあてる際に痛みを軽減できることから、歯周病患者さんにおすすめする方が多いようです。
また、コンパクトヘッドのため、臼歯部まで届きやすく、開口しづらい患者さんでも使いやすく設計されています。
2位 ルシェロ(株式会社ジーシー)
次に、多くの歯科衛生士の方々がおすすめしたのは、ルシェロシリーズの歯ブラシ。
さまざまな種類が販売されていますが、B-10・20とP-10・20をメインで使用している歯科衛生士の方が多いようです。
B・Pタイプの最大の特徴は、なんといっても「段差植毛」。長さの異なる毛が交互に植立されているため、歯の凹凸面にフィットし、高い刷掃効果が得られます。
Bタイプはラウンド毛+ラウンド毛、Pタイプはテーパード毛+ラウンド毛であり、10と20とでは、段差の長さと植毛に違いがあります。
歯ブラシ | B-10 | B-20 | P-10 | P-20 |
---|---|---|---|---|
毛の種類 | ラウンド+ラウンド | ラウンド+ラウンド | テーパード+ラウンド | テーパード+ラウンド |
段差の長さ | 1.5mm | 2.0mm | 2.0mm | 2.5mm> |
植毛 | 3列 | 4列 | 3列 | 4列 |
また、すべてのタイプにおいて、歯ブラシのトゥ部分がとがっており、最後臼歯の遠心面にも届きやすいつくりになっています。プラークコントロールがむずかしい部位のため、このヘッドがお気に入りという歯科衛生士の方も多いのではないでしょうか。
3位 TePe(クロスフィールド株式会社)
続いて多くの支持を得たのは、スウェーデンブランドの歯ブラシ、TePeシリーズ。
セレクトコンパクトを使用している方が多い中、ここ数年でセレクトやスプリームといったヘッドが大きいタイプの人気も急上昇しています!
日本ではもともとコンパクトヘッドの歯ブラシが多いため、ヘッドが大きいと細部まで磨けないのでは?と心配される方もいるかもしれません。
しかし、TePeの歯ブラシは、どのタイプもヘッドが臼歯部に届きやすいよう、台形状にデザインされています。
そのため、ヘッドが大きくても、細かい部分のプラークを容易に除去することが可能です。また、ワンストロークで磨ける範囲が大きいため、効率的な刷掃効果が得られます。
定番のセレクトシリーズは、コシのあるラウンド毛によって歯面をしっかりと磨くことが可能。一方で、人気上昇中のスプリームシリーズは、長さの異なるラウンド毛とテーパード毛の二層構造になっており、歯周ポケット内や矯正器具の隙間など、細かい部分に届きやすく設計されています。
両シリーズでは磨き心地がまったく異なるため、患者さんの口腔内のタイプに合わせて適切な歯ブラシの処方ができます。
そして、なんといってもデザインや色がとっても可愛いですよね!
歯科衛生士だけでなく、患者さんからも人気の高い歯ブラシのひとつです♪
4位 タフト24(株式会社オーラルケア)
その次に人気があったのは、毛のかたさにバリエーションが豊富なタフト24。スタンダードな3列植毛歯ブラシといえば、タフト24を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
タフト24は、患者さんの歯肉のタイプやプラークの性状に合わせて、ブラシのかたさを6種類から選べます。また、歯面や歯肉に傷がつかないよう、毛先を丁寧に丸く面取りしているため、磨き心地がやさしく、快適なブラッシングが行えます。
一般的な歯ブラシの多くは、ブラシ部分にナイロン毛を使っていますが、タフト24ではポリブチレンテレフタレート(PBT)という材質を使うことで、ブラシのコシを強く保てるように工夫されています。
6種類あるかたさの中でも、いちばん人気のかたさはS(ソフト)。Sよりも少しかためのブラシをお好みの方にはMS(ミディアムソフト)、デリケートな歯肉の方にはSS(スーパーソフト)というように、Sのかたさを基準に歯ブラシを処方する方もいるようです!
これだけこだわって製作された歯ブラシにもかかわらず、お値段が安価なのも嬉しいポイントですね♪
5位 CURAPROX(株式会社ヨシダ)
今回5位にランクインしたのは、スイスブランドの歯ブラシ、CURAPROX(クラプロックス)。dStyleの記事でも話題にあがることが多い歯ブラシのひとつです。
クラプロックスに使用されている「クーレン繊維(CUREN®️)」は、ナイロンよりやわらかく弾性があります。
また、いちばん人気のCS5460は、その名の通り5460本の毛がブラシに植立されており、一般的な歯ブラシよりも約7〜10倍もの植毛本数を誇ります。
CS5460よりもコンパクトで、よりやわらかい歯ブラシをお好みの方にはCSスマートがおすすめ。こちらは0.08mの超極細毛を使用しているため、ほかの歯ブラシでは感じることができない磨き心地を得られます。
カラーバリエーションが豊富で、ブラシとハンドル部分の色の組み合わせもかわいいので、待合室の物販コーナーでは患者さんの目を引くこと間違いなしです!
***
日本で長年愛され続けている定番製品だけでなく、TePeやCURAPROXといった海外製品もランクインしていましたね。
その他の回答では、『プロスペック(株式会社ジーシー)』や『マキシマ(ライオン歯科材株式会社)』、『バトラー(サンスター株式会社)』などの歯ブラシも人気でした。
同じ患者さんでも、年齢や生活習慣が変わることで口腔内の環境も日々変化します。その変化に合わせて、歯科衛生士は患者さん一人ひとりに適切な歯ブラシを処方する必要がありますよね。
毎日使うものだからこそ、それぞれの患者さんにとって効果的で磨き心地の良い歯ブラシを処方できるよう、あらためて各メーカーの歯ブラシの特徴をおさえておきましょう♪
次回のアンケート発表は「就職先を選ぶ上で重視するポイント」について。
お楽しみに!
現役歯科衛生士150人に聞いたシリーズ
第1回 歯科衛生士になったきっかけ
第2回 いまの職場の満足度とその理由
第3回 得意な治療は?ニガテな治療は?
第4回 おすすめの歯ブラシ