さすが美容大国?!意識が高い韓国の歯科医療制度 Vol.2 韓国では歯列矯正が当たり前?

日本からもっとも近い国である「韓国」ですが、日本とは歯科医療制度が大きく異なることをご存じでしょうか。

日本でも韓国料理や韓国コスメ、韓流ドラマ、K-POPなど、数年前に比べて韓国がとても身近に感じられるようになりました。

韓国を訪れたことがある方は、韓国人の歯並びのきれいさに目を奪われた経験があるのではないでしょうか。歯列はもちろん、肌や髪の管理も徹底されていますよね。

そこで今回は、韓国と日本の「歯列矯正」に対する意識の違いについて紹介します。韓国で取り扱われている矯正装置の種類や費用も紹介するので、ぜひご覧ください。

歯並びは就職活動にも影響する?

韓国では、歯列を整えることはマナーの一つと考えられており、多くの方が歯列矯正を行います。

日本では、八重歯はチャームポイントとして愛らしい印象を与えることがありますが、韓国では「だらしない」という印象を与えてしまうようです。また、口元の管理ができていないと捉えられ、就職活動に影響することもあります。そのため、10~20代の学生の間に治療を完了させる方が多いようです。

韓国人の歯がきれいな理由

韓国では芸能人だけでなく、一般人でも歯並びが整っている人が多く、八重歯や出っ歯の人はあまり見かけません。では、韓国人はなぜ歯並びが整っている人が多いのでしょうか。

ここでは、韓国人の歯並びがきれいな理由を紹介します。

美意識が高い

まずは、韓国と日本の「美意識の違い」が挙げられます。歯科だけでなく、皮膚科や整形手術が発達している韓国では、歯並びの良さも外見を整える上で重要なポイントだと考えられているのです。

軽度の叢生程度ではそのままにしておくケースもありますが、ほとんどの方が歯列矯正を行います。

歯並びが悪いと「歯列矯正しなかったの?」と聞かれることもしばしば。大手企業では歯列の乱れが就職で不利になることもあるほどです。

歯科に対する予防意識が高い

韓国では健康保険で歯科治療が受けられないため、国民の歯科に対する予防意識が日本に比べて高く、これも歯列が整っている理由の一つです。

韓国では歯科治療が保険適用されない代わりに、年に一回無料でスケーリングを受けられます。そのため、毎年きちんと歯科でクリーニングを受ける方が多いのです。

また、韓国ではトウガラシやごま油、ニンニクをたくさん使う料理が多いため、しっかり口腔ケアを行っていないと着色や口臭の原因となることもあります。自宅でホワイトニングアイテムを使ってケアしている方も大勢います。

自由診療が安い

韓国は日本に比べて、歯列矯正やセラミックなどの自由診療が安い傾向にあります。

先天性欠損や事故などが原因で歯列が乱れているケースでは、インプラント治療と矯正治療を組み合わせて歯列を整えることもあるようです。

そのため、20~30代でインプラント治療を受けている方もめずらしくありません。

韓国の歯列矯正の種類と費用は?

韓国の矯正治療の種類は日本とほとんど同じです。症例に応じて適用される装置が異なる点や、審美的な観点からセラミック矯正やワイヤー矯正が人気な点も日本と大きく変わらないでしょう。

一方で、矯正治療の技術が進んでいることで、歯列だけでなく顔貌を意識した歯列矯正を行う歯科医院が多いという特徴があります。

ここでは、韓国で一般的に行われている矯正装置の種類と、それぞれの費用について紹介します。

ワイヤー矯正

症例や歯科医院によって異なりますが、一般的なワイヤー矯正をメタルで行う場合にかかる費用は、約30~50万円です。ただし、日本と同じように矯正中の見た目を気にする方が多いため、選択する方が少ない傾向にあります。

裏側矯正

歯列矯正していることを知られたくない方が選択する方法です。矯正治療の中でもっとも費用が高い方法で、約60~80万円かかります。日本と比べると費用を抑えられるため、韓国で裏側矯正をする日本人も多いようです。

セラミック矯正

歯並びが悪い部分を削ってセラミックなどの審美性が高い補綴物を被せることで、歯列をきれいに見せる方法のことを指します。治療にかかる費用は約50万円です。日本と比べると安く治療が受けられるため、韓国でも選択する方が多い治療方法です。

クリッピーC矯正

韓国では、審美面を考慮してブラケット装置がセラミックでできている「クリッピーC矯正」を選択する人が多い傾向にあります。治療にかかる費用は、約50万円です。

ブラケット装置の着色があまり気にならないため、韓国の代表的な食べ物であるキムチやコチュジャンなどが含まれた食事を楽しめるという理由でも選ばれているようです。

マウスピース矯正

日本と同じく、韓国でもマウスピース矯正治療を受ける方が増えています。

韓国のマウスピース矯正システムであれば25~35万円程度と、手軽な費用で治療をはじめられます。また、インビザラインについては約60~70万円で治療が受けられるため、日本よりも少し安いといえるでしょう。

まとめ

今回は、韓国の歯列矯正について紹介しました。

筆者は1年ほど韓国に住んだ経験がありますが、歯列矯正に対する意識の違いに驚かされました。

日本ではさほど気にならない程度の歯列でも、韓国では「歯並びが悪い」という印象を与えてしまいます。見た目が重要視される韓国ならではの歯科事情といえるのではないでしょうか。

さすが美容大国?!意識が高い韓国の歯科医療制度

第1回 日本との医療制度の違い
第2回 韓国では歯列矯正が当たり前?