チーフ歯科衛生士のおすすめアイテム集 No4.新人スタッフを迎える時に読むべき2冊

みなさん、こんにちは。歯科衛生士の一之瀬です。

今年は関東にも雪が降り、寒さの厳しい冬でしたがいかがお過ごしでしたでしょうか。

「積雪」がニュースになる関東では、電車の遅延や交通事故なども起こり一大事となりました。実際に私も利用している路線が速度制限や快速がなくなる中で帰路に着き、1時間半ほどかけてへとへとになりながら帰宅しました。

2月が終わると「三冬尽く」と厳しい寒さも終わり、暖かい春が訪れるのが待ち遠しくなります。暖かくなると何だかわくわくしてくるのは私だけでしょうか。

日本では、4月ははじまりの時期とされていますよね。入学、入社とさまざまなことがスタートします。この4月から新入社員を迎えるクリニックのみなさんは、今頃から少しずつ色々なことを準備しはじめるのではないかと思います。

私自身、クリニックの求人や人材育成に携わるようになった十数年前から、さまざまなことを学んできました。

その中でかならず実践していることとして、まずは相手をよく「みる」「おもう」ということです。お相手の表情、仕草、立ち振る舞いを観察し話を聞くことを、私はもっとも重要視しています。

私はこれまでの経験から、相手を理解するのは難しい、いえ、無理なのではないかと考えています。それでも、「みる」「おもう」を続け、相手への思いやりの気持ちを表現することでコミュニケーションがはじまり、決して一方通行ではない信頼関係を構築してきました。

クリニックによって、各人によって新入社員の迎え方はさまざまかと思いますが、今回は新たに仲間に入るスタッフ(新人)と迎え入れるスタッフ(既存)どちらともに読んでいただきたい2冊の書籍をご紹介させていただきます。

チーフ歯科衛生士のおすすめアイテム集 No4.新人スタッフを迎える時に読むべき2冊

おすすめPOINT

この2冊を読んでもらった後は、下記の項目についてスタッフ全員で時間を共有することをおすすめいたします。

① 仕事とは何なのか、仕事の取り組み方を考えるきっかけをつくる

物事に対しての取り組み方については、その方法や手段は違えど、考え方や気持ちのあり方は共有すべきことだと思います。

たとえ手段や考え方が違ったとしても、同じ職場で働く仲間として、話し合ってみること、話す時間を共にすることが重要なのではないでしょうか。

日常業務内容にあたることを書き込み、自分ごととして捉える
日常業務内容にあたることを書き込み、自分ごととして捉える

② どのように働きたいか考える

働き方、働く上で何を重要視するのかは、各人によって違うかと思います。時間、お金、人間関係、仕事内容(質)…

しかし、勤務先のクリニックや院長先生には「このように働いてほしい」という理念があります。その理念について院長先生からだけではなく、現在その理念の下で働いているスタッフと共に働き方について話し合うことで、自らのやりたいこととやるべきことのすり合わせができるでしょう。

③ やるべきことと目標について考える

初めて仕事をするときは、慣れない環境下で緊張の中、毎日やらなければいけないことに追われて時間が過ぎていくものです。

もちろん、業務を遂行するのは大切ですが、半年後、一年後、未来の自分のために目標をもって働いてほしいなぁ~。と、先生や先輩歯科衛生士は思っているのではないでしょうか。

そもそも、目標とはどのように設定すればよいのかを「考える」ことが重要です。特に『フィッシュ!』は、まずはやるべきことをできるようにするための目標建て、目標を達成できるようにどのようなサポート環境を整えればよいかの参考になるかと思います。

フィッシュ!鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方(早川書房)
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もう少し寒さが続きそうな3月は、さまざまなことがはじまる春を迎えるための準備期間ですね。

新しい仲間を迎え入れることは、既存のスタッフにとってもクリニックにとってもステップアップする良い機会になること間違いなし!だと思います。

つい最近、ほぼ同年代の歯科医師の先生とお話しする機会がありました。ご開業されたばかりとあって、スタッフの求人に悩まれているとのことでした。

先生はご自身の経験をもとに創意工夫なさっており、スタッフに多種多様な「もの」「こと」をプレゼントされていたのです。

思い返してみると23年前、私にも同じような経験がありました。初めて就職したクリニックでは入職前にこの2冊の書籍を渡され「これ読んで、勉強しておいてね」と院長先生に言われたことを覚えています。

入職前にこのようなことがあることに驚いた思い出とともに、今でもその書籍は大切に保管してあります。

先日、あるテレビ番組で著名な映画監督が、“アメリカで学んだいちばんの宝は『リザルト演出はしてはいけない』ことだ”と仰っていました。

つまり、こちらが決めた結果や結末にただただ従わせるのではなく、新人スタッフ自身が感じる、考える環境をつくることが大事なのだと。そうして立場の違う相手と対等に向き合い、相手の考えを受け入れることで、自主性を促すことに繋がりより、良いクルーになると。

時間や手間はかかるかもしれませんが、ツールに頼らず部下と向き合う、そして考えや行動を促す職場環境をつくることが、新入社員を迎え入れるためにもっとも大切なのかもしれませんね。

チーフ歯科衛生士のおすすめアイテム集

No1.予防歯科の教本『クリニカル カリオロジー』
No2.歯周治療の基礎を網羅『歯周病学』
No3.感染管理の基礎を学べる3冊
No4.新人スタッフを迎える時に読むべき2冊