滅菌技師(士)ってどんな資格?

日本の歯科業界にはたくさんの資格制度が存在し、その代表格が歯科医師免許・歯科衛生士免許・歯科技工士免許です。

これらの資格は「国家資格」といって、国で認められている認定制度です。しかしその他にも、「協会認定資格」「学会認定資格」など、自身のスキルアップのための資格がたくさん制定されています。

今回はたくさんある資格のうち、特に歯科衛生士・歯科助手向けの資格「滅菌技師(士)」について、徹底解説しますよ!

*この記事は2022年9月14日に更新しました

[目次]
1.滅菌技師(士)とは?
2.滅菌技師(士)の業務
3.資格取得の申請に必要な条件
4.資格のとりかた・費用について
5.滅菌技師(士)の働き方(coming soon…)

1.滅菌技師(士)とは?

滅菌技師・滅菌技士とは、一般社団法人 日本医療機器学会が認定している制度で、第1種滅菌技師第2種滅菌技士の2種類があります。

滅菌供給業務は病棟、外来など医療施設の臨床現場でかかせないものでありながら、これまでは特別な資格をもたない医療職員の経験によって行われてきました。

そこで、以前から滅菌供給業務を検討してきた日本医療機器学会が、滅菌供給業務のリスク管理のさらなる向上を目指して導入したのがこの制度です。

2.滅菌技師(士)の業務

近年、器具の使い回しなどが取りざたされ、歯科医院の滅菌対策について、患者さんから厳しく見られるようになっています。

第1種滅菌技師と第2種滅菌技士はどちらも共通して、日本医療機器学会が作成した“医療現場における滅菌保証のガイドライン”の内容を理解し、これに基づいた滅菌供給業務を行います。

ガイドライン2021年版はこちら

そのため、滅菌技師(士)が在籍している歯科医院は、しっかりと滅菌対策を行っている証拠になり、患者さんに対しても良いPRになります。これからの歯科界において、就職に有利な資格の一つであるといえるでしょう。

さらに、第1種滅菌技師の資格をもっていると、他のスタッフに安全性の確保・滅菌器の管理・滅菌業務の指導を行うことができます。

滅菌技士の業務

3.資格取得の申請に必要な条件

第2種滅菌技士の認定申請には、以下の条件を満たしている必要があります。

  1. 日本医療機器学会の正会員であること
  2. 滅菌供給に関わる業務等の実践に通算3年以上携わっていること
  3. 日本医療機器学会が作成した“医療現場における滅菌保証ガイドライン”の内容を理解・実行できること
  4. 第2種滅菌技士認定講習を修了していること

(一般社団法人日本医療機器学会 滅菌技士・師認定制度規則より抜粋)

また、第1種滅菌技師の認定申請には、第2種滅菌技士の認定資格をもっている必要があります。

第2種滅菌技士の認定者が、第1種滅菌技師認定学科講習を修了し、さらに第1種滅菌技師実技講習を修了すれば、申請が可能です。

4.資格のとりかた・費用について

第2種滅菌技士

第2種滅菌技士の資格を取るには、まず資格取得講習を受けます。受講料は11,500円。申請に必要な書類については、この講習で配布されます。

講習会は、会場参加の場合は9:30〜17:00までの1日コース。さまざまな滅菌方法やインジケーター、消毒液の使い方などを学び、閉会前の30分で筆記試験を行います。Web受講の場合は、eラーニングシステムを利用して受講します。

なお、講習会で使用するテキストは、別途購入して持参する必要があります。

日本医療機器学会(2020)『改訂第5版 医療現場の滅菌』へるす出版
『医療現場の滅菌』へ

その後、認定料20,000円を支払い、以下の書類を認定委員会に提出することで、第2種滅菌技士の資格を取得できます。

  1. 第2種滅菌技士認定申請書
  2. 履歴書
  3. 滅菌供給業務に関する活動および活動記録
  4. 所属施設長の推薦状
  5. 認定料の振込用紙のコピー

講習会のスケジュールはこちら

第1種滅菌技師

第1種滅菌技師の資格を取得するには、第2種滅菌技士の資格を取得した後、第1種滅菌技師認定学科講習を受講します。

認定の手順(引用:一般社団法人 日本医療機器学会)
認定の手順(引用:一般社団法人 日本医療機器学会)

講習料は30,000円。2日間の講習会を受講し、最終日に90分間の筆記試験を行います。講習会の内容は滅菌・消毒に関する法令や基準から、滅菌装置の安全管理、滅菌不良発生時の対応まで多岐にわたります。

筆記試験に合格したら、第1種滅菌技師実技講習を受けることができます。別途受講料30,000円を支払い、2日間の講習を受けます。

その後、認定料20,000円を支払い、以下の書類を認定委員会に提出することで、第1種滅菌技師の資格を取得できます。

  1. 第1種滅菌技師認定申請書
  2. 認定料の振込用紙のコピー

資格の更新について

第2種滅菌技士の認定期間は4年間とされています。

更新には、4年間、引き続き医療現場の滅菌供給に関わる業務などに貢献したことや、学会参加や滅菌供給に関する演題発表・論文掲載などの条件を満たしている必要があります。

更新を希望する場合、認定有効期間満了日の1か月前までに更新料20,000円を事務局に支払い、以下の書類を提出します。

  1. 第2種滅菌技士更新申請書
  2. 認定期間中の業務経歴
  3. 認定期間中に取得した所定研修単位の証明書
  4. 認定更新料の振込み用紙のコピー

第1種滅菌技師については、第2種滅菌技士認定資格の更新をしていれば、改めて手続きする必要はありません。

認定制度の詳細はこちら

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昨今、新型コロナウイルス感染症拡大などの影響により、院内感染への対策がますます重要視されるようになっています。滅菌対策のPRにもなる滅菌技師・滅菌技士は、日々の診療のスキルアップとして、自信にも繋がる資格なのではないでしょうか?

日々の診療のスキルアップとして、自信にもつながる資格なのではないでしょうか?まずはセミナーや講習会を受けたり、受講生の声を直に聞いてみたりするのもいいかもしれませんね。

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