日本の歯科業界にはたくさんの資格制度が存在します。キャリアアップのために、資格の取得を検討している歯科医療従事者の方は多いのではないでしょうか。
本記事では、数ある中から歯科助手向けのおすすめ資格をピックアップしてご紹介します!資格ごとの難易度や取得方法についても解説するので、参考にしてみてください。
歯科助手には資格がいらないって本当?
歯科助手になるために必要な資格は、特にありません。歯科医師や歯科衛生士と違い、資格や経験がなくても医療に貢献できるお仕事です。
キャリアアップにおすすめ!歯科助手向けのおすすめ資格10選
歯科助手として働くには資格が必要ありませんが、キャリアアップのためにさまざまな資格にチャレンジする方はたくさんいます。
ここでは、歯科助手におすすめの資格をご紹介します。実用的な資格を幅広くピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- トリートメントコーディネーター
- 歯並びコーディネーター
- 歯科感染管理者
- 滅菌技師(士)
- 整理収納アドバイザー
- アタッチメント食育インストラクター
- デンタルコーチ
- 認知症サポーター
- 嚥下トレーナー
- 日本歯科医師会認定歯科助手
1.トリートメントコーディネーター
トリートメントコーディネーターとは、歯科治療や歯科予防の説明を行うプロのことで、「TC」ともよばれています。歯科衛生士だけでなく、歯科助手の方も取得できる資格です。
現在の日本では資格がなくても「TC」を名乗ることができますが、資格を取得することで、より適切なカウンセリングのスキルを身につけられます。
TCの資格扱っている団体として代表的なのが「日本歯科TC協会(JADTC)」と「TCマスターカレッジ」です。
各講義は歯科医療関連業務に従事していれば誰でも受講可能なので、気軽に取得を目指せるところが魅力です。
日本歯科TC協会(JADTC)で取得する場合
主な取得条件 | 費用の目安 |
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TCマスターカレッジで取得する場合
主な取得条件 | 費用の目安 |
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2.歯並びコーディネーター (日本成人矯正歯科学会)
歯並びコーディネーターとは、日本成人矯正歯科学会が認定している学会認定制度で、全国に1,400人以上もいる、人気のある資格です。
患者さんをはじめ、一般の方に矯正治療を正しく理解してもらい、身近な相談相手としてアドバイスできる人材を育成するために制定されました。
日本成人矯正歯科学会の非会員の方も対象であり、矯正歯科医療に携わっていれば歯科助手や受付などのコ・デンタルスタッフも取得できる点が特徴です。
主な取得条件 ※以下のいずれかを満たしていること |
費用の目安 |
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(参照:歯並びコーディネーターってどんな資格?)
3.歯科感染管理者
歯科感染管理者は、日本・アジア口腔保健支援機構が設けている認定資格で、「第一種歯科感染管理者」と「第二種歯科感染管理者」の二種類があります。
第二種歯科感染管理は、歯科に特化した感染制御知識の習得を目的としています。それに加え、第一種歯科感染管理者は臨床現場での実務のスキル向上を目的としており、取得後には「感染管理マニュアル」を作成し、実践できるようになります。
取得に学歴などの制限はなく、誰でも受講が可能です。第一種の取得には、第二種の資格を保有していることが条件となります。
第二種歯科感染管理者
主な取得条件 | 費用の目安 |
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第一種歯科感染管理者
主な取得条件 | 費用の目安 |
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(参照:歯科感染管理者ってどんな資格?)
4.滅菌技師(士)
滅菌技師(士)は、日本医療機器学会が認定している制度で、「第1種滅菌技師」と「第2種滅菌技士」の二種類があります。
歯科に特化した感染制御知識を習得し、歯科医院における感染リスクの管理を行います。
取得条件としては、滅菌供給に関わる実務に通算3年携わっている必要があります。院内感染への対策が重要視されている昨今、滅菌対策のPRにもなることから注目を集めている資格の一つです。
第2種滅菌技師
主な取得条件 | 費用の目安 |
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第1種滅菌技師
主な取得条件 | 費用の目安 |
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(参照:滅菌技師(士)ってどんな資格?)
5.整理収納アドバイザー
整理収納アドバイザーは、特定非営利活動法人 ハウスキーピング協会という機関が運営している資格で、1〜3級まで設けられています。
1級を取得すると、整理収納に関するアドバイス・指導を行う「整理収納のコンサルティング」や、依頼者のニーズや聴衆に合わせて講演を行う「整理収納セミナーの講師」など、整理収納アドバイザーとして業務を行えるようになります。
歯科治療に直接に関わる内容ではありませんが、毎日いそがしい上に、膨大なカルテや器具・材料を扱う歯科医院にとって、整理収納アドバイザーは需要のある職業だといえるでしょう。
3級
主な取得条件 | 費用の目安 |
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2級
主な取得条件 | 費用の目安 |
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準1級
主な取得条件 | 費用の目安 |
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1級
主な取得条件 | 費用の目安 |
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(参考:整理収納アドバイザーってどんな資格?)
6.アタッチメント食育インストラクター
アタッチメント食育インストラクターとは、一般社団法人 日本アタッチメント育児協会が監修している資格です。“アタッチメント・食育”とは、心理学と栄養学、歯学を掛け合わせた「食育」のことをいいます。
資格の取得により、ご自身のお子さんだけでなく、患者さんのお子さん(もしくはご本人)に適切な「食の環境」を指導できるメリットがあります。たとえば、歯科助手のみなさんが「お母さん向けのアタッチメント・食育教室」を患者さんに向けて開催すれば、治療以外の目的で、患者さんが歯科医院に足を運ぶきっかけとなるかもしれません。
また、アタッチメント食育は、歯学がカリキュラムに入っているため、歯への関心を高める啓蒙活動にもつながるでしょう。
主な取得条件 | 費用の目安 |
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(参考:アタッチメント食育インストラクターってどんな資格?)
7.デンタルコーチング®️
デンタルコーチング®は株式会社オフィスウェーブが独自に開発した技術で、患者さんに最良の治療をコーチできる歯科医療従事者の育成を狙いとしています。
患者さんと良好な関係を築き、患者さんが積極的に診療に取り組める環境をつくってあげることで、カウンセリングでの成功率をあげたり、キャンセル率を下げたりする一翼を担うことができます。
認定デンタルコーチの資格は、歯科医院で働くデンタルスタッフであればだれでも取得可能。オフィスウェーブ主催のデンタルコーチング術®︎セミナーコースを受講後、認定試験を受け、合格すると資格が取得できます。
主な取得条件 | 費用の目安 |
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(参考:デンタルコーチってどんな資格?)
8.認知症サポーター
認知症サポーターは、厚生労働省が認定している資格です。認知症の方やその家族の「応援者(サポーター)」として正しい知識をもち、できる範囲で手助けを行います。
約6時間の養成講座を受けることで誰でも取得でき、費用がかからないため取得難易度が低いところが魅力です。
歯科医院で働いていると、認知症を患っている方の対応が求められることもあります。特に訪問歯科診療を実施している歯科医院では、実務にも活かしやすい内容でしょう。
主な取得条件 | 費用の目安 |
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(参照:認知症サポーターってどんな資格?)
9.嚥下トレーナー
嚥下トレーナーとは、NPO法人摂食介護支援プロジェクト(DHP)が認定している資格のこと。摂食・嚥下障害の方や介護されている方などの食事で困っている方を、摂食・嚥下機能の知識や技術を活かして支援します。
近年、訪問診療を実施する歯科医院が増えており、嚥下に関する質問や依頼を受ける機会も多くなっているといいます。嚥下トレーナーは、これからの歯科業界で就職に有利な資格の一つといえるでしょう。
取得については、間接訓練・直接訓練・嚥下観察・食事介助の4つのテーマについて学ぶことで資格を得られます。どの研修から受講してもOKなので、気軽に取得できるのが魅力です。
主な取得条件 | 費用の目安 |
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10. 日本歯科医師会認定歯科助手
日本歯科医師会認定歯科助手は、歯科助手の育成と資質の向上を図り、歯科治療を円滑に行うことを目的に制定された認定制度です。
日本歯科医師会認定歯科助手は職務内容によって種類が異なり、「乙種第二」「乙種第一」「甲種」の3つがあります。現在歯科医院に勤務している方であれば、まずは乙種第一の資格取得を目指す方が多いのではないでしょうか。
取得の際は、養成校や地域によって、基準時間を超えて講習を行う場合があります。甲種に関しては、120時間の実習が必要であるため、専門学校などの教育機関で取得する方が多いようです。
乙種第二
主な取得条件 | 費用の目安 |
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乙種第一
主な取得条件 | 費用の目安 |
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甲種
主な取得条件 | 費用の目安 |
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歯科助手の資格は種類がたくさん!興味のある分野を取得して仕事に活かそう
歯科助手におすすめの資格をピックアップしてご紹介しました。今回解説した資格の他にも、歯科助手向けの資格や認定制度はたくさんあるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
(参考:歯科衛生士・歯科助手向けの資格一覧【2022年版】)
興味のもてる分野を見つけて資格を取得し、日々の仕事に活かしましょう!