感染対策のプロは歯科衛生士!いま知っておくべき感染対策とは?

新型コロナウイルスの収束が見えない中、日頃から歯科医院の感染対策を任されている歯科衛生士のみなさんは、どのような感染対策をとられていますか?

今回は姉妹サイトWHITE CROSSに掲載された記事を、歯科衛生士向けに、要点をピックアップしました。

この機会にクリニック全体で、院内の感染対策を見直してみてくださいね。

今回取り上げる記事は?

姉妹サイトWHITE CTOSSに掲載された、感染対策の記事2つです。

  1. 歯科医院のための感染対策
  2. 患者もスタッフも安心!待ったなしの院内感染対策

執筆者は?

Shurenkai Dental Prosthodontics Institute 院長の中村健太郎先生。中村先生はもともと、歯科医療機関の差別化をはかるため、長年にわたり院内感染対策についてコンサルタントを担うほど研究を重ねられている先生です。

感染対策のポイントを記事から抜粋してご紹介します!

ポイント① もっとも感染が成立しやすいのは「接触経路」

感染経路には接触・飛沫・空気の、3つの経路があります。そのうちもっとも多いのは、手指からの感染で、なんと90%であるということが明らかにされています。

飛沫経路からの直接感染よりも、飛沫が付着した汚染部位を無意識に触れてしまう手指からの間接感染が、感染の連鎖を完全に阻止できない最大の原因となります。

口腔内を直接触れる、または触れた器材を取り扱う歯科医療従事者は、手指の管理に細心の注意を払わなければならないですよね。

感染連鎖の図
感染連鎖の図

ポイント②マスクより手指衛生

飛沫やエアロゾルを遮断するためには、マスクの着用も大切です。しかし、①で挙げたポイントから「グローブの管理」と「手指消毒」が基本で重要なポイントになります。

注意しなければならないのは、一患者さんや一処置ごとの「衛生的手洗い」は手荒れを引き起こし、かえって細菌やウイルス、汚れが手指に付着しやすくなるということ。

汚染されたグローブの管理とグローブ撤去後の手指消毒が、歯科医院における感染対策の核心ともいえるでしょう。

オートディスペンサーによる手指消毒
オートディスペンサーによる手指消毒

ポイント③ 患者さんの口腔内が「感染拡大のスタート地点」

歯科医院では、患者さんの唾液と接触した器材やグローブ、唾液を含んだ歯科材料、またはそれらに接触した手指や部位もすべて汚染(コンタミネーション)されているものとして予防策(ディコンタミネーション)を講じる必要があります。

予防策を講じるうえで、口腔内から唾液が伝播していく汚染経路(コンタミネーションルート)を、下記の6ルートに区分します。

  1. 術者の手指
  2. 汚染器材
  3. サクションシステム/スピットン
  4. エアロゾル
  5. 画像検査機器
  6. 印象体/補綴装置

各ルートにはそれぞれ感染経路別予防策(トランスミッション−ベースドプリコーション)が必要です(図1参照)。

口腔内から唾液が伝播していく汚染経路
図1.口腔内から唾液が伝播していく汚染経路

ポイント④ アルコール製剤でエンベロープを不活化!

コロナウイルスはインフルエンザウイルスと同じエンベロープウイルスに属し、ヌクレオカプシッドの外側に脂質と糖タンパクから成る「エンベロープ」と呼ばれる被膜を形成しています。

ウイルスは自らで増殖することができないので、ウイルス感染を阻止するためには、アルコール製剤によってエンベロープを不活化することが、もっとも重要な対策方法なのです。

ウイルスを不活化させるための「手指消毒」を行うには、ジェルタイプの消毒薬用量を3ml以上、かつ15秒以上の擦り込みをしたあとに60秒以上放置しましょう。

また、環境表面を消毒する場合は、アルコール製剤が浸潤したワイプタイプを用いることをおすすめします。

ワイプでウイルスを払拭するのではなく、ワイプでアルコール製剤を塗布するイメージです。それがウイルスの細胞侵入能力を不活化させるいちばんの対策なのです。

最後に、アルコールは揮発性が高いので、スプレータイプによるアルコール製剤では、アルコール濃度が低下して効果が半減してしまうので要注意です。

もっと知りたい!

この続きは、4月30日のライブセミナーで詳しく解説します!

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