歯周病によりがんのリスクが増加する 米国

歯周病は、様々な慢性疾患に悪影響をあたえることが知られています。

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しかしながら、歯周病とがんの関連性について調査した研究は、あまりありませんでした。

今回、米国の研究者によって、がんのリスクと歯周病に強い関係性があることが明らかになりました。

歯周病によりがんのリスクが増加する

研究は、19,933人の非喫煙者の男性を対象に行われ、26年間観察された後、残存歯牙の状態やがんの発生率についての調査が行われました。

観察開始時に歯周病に罹患していた被験者では、13%の癌の増加が見られました。その上、重度歯周病の被験者(研究では残存歯17本未満の歯周病と定義している)では45%もがんのリスクが増加した、とされています。

また、特定のタイプのがんが歯周病と関係することが明らかになっています。

前立腺がん・結腸直腸がん・黒色腫は歯周炎と相関関係はありませんでした。しかし、喫煙関連がんとされる肺がん・膀胱がん・口腔咽頭がん・食道がん・腎臓がん・胃がん・肝臓がんでは、33%のがんリスクの増加が見られました。

研究者らは、歯周病は免疫系の調節不全に起因するがんのリスクに直接的な影響を与える可能性があると指摘しています。また、口腔衛生状態を良好に保つことは、禁煙と同等に喫煙関連がんのリスクを低下させるであろうと報告しています。

出典:Periodontal disease and risk of all cancers among male never smokers: an updated analysis of the Health Professionals Follow-up Study