デンタルとは、患者さんの歯を個別に撮影した小さなX線写真のことをいいます。
今回は、デンタルを撮影する目的や撮影方法について紹介します♪
*この記事は2023年5月2日に更新しました
1.目的と用途
ピンポイントで撮影する
う蝕や歯周病などを細かく確認するため、ピンポイントで一枚ずつ撮影します。
口の中全体を見るために撮影する
口の中全体の情報を得るために、デンタルを10枚セットや14枚セットで撮影することがあります。それぞれを「10枚法」「14枚法」とよび、今回はデンタル10枚法について説明していきます。
2.撮影の仕組み
デンタルは、デンタルX線写真撮影機とデンタルフィルムを用いて撮影します。デンタルX線写真撮影機の先端をコーンといい、このコーンからX線が出ます。そして、X線が撮影したい歯を透過してデンタルフィルムに画像を写します。
なお、金属などはX線を通さず、白く写り込んでしまいます。そのため、患者さんが義歯を装着している場合は、はずした状態で撮影する必要があります。また、デンタルの場合は、ピアスやネックレスなどの金属は写り込まないので、はずさなくて良いとされています。
3.インジゲーターを用いた撮影法
歯科医院によっては、デンタルの撮影において、インジケーターというフィルムの位置とコーンの向きを固定する器具を使用します。
4.インジケーターを使用しない撮影法
インジケーターを使用しない歯科医院では、自分でX線をあてる向きなどを考えて決めなければいけません。
続いては、デンタル10枚法における、それぞれのフィルムのセッティングについて説明します。
上顎右側大臼歯
上顎右側犬歯から小臼歯
上顎前歯
上顎左側犬歯から小臼歯
上顎左側大臼歯
* 「下顎右側大臼歯」「下顎右側犬歯から小臼歯」「下顎前歯」「下顎左側犬歯から小臼歯」「下顎左側大臼歯」については、姉妹サイト『WHITE CROSS』をご覧ください。
5.デンタルの現像と保存の仕方
X線写真にも、デジタルとアナログの撮影機があります。
デジタルの場合、スマートフォンで撮った写真と同じように、X線写真はデジタルのデータとして保管されます。アナログ撮影機の場合は、昔の写真と同じように、フィルムを手で現像(げんぞう)しなければいけません。
現像の手順とポイント
手順 | 手の動かし方 | 注意点 |
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現像液の注入 |
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現像 |
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フィルム出し・水洗 |
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定着 |
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水洗 |
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乾燥 |
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デンタルの保存
アナログで撮影したデンタルは、デンタルフォルダーという専用のクリアファイルに保存します。
デンタルフォルダーには、
- 診察番号(×× ××)
- 患者さんの名前(◯◯ ◯◯)
- 撮影した年月日
- 撮影した部位
などを記載します。
やってみよう!知識チェック
姉妹サイト『WHITE CROSS』では、今回学んだ内容について、理解度チェックを行うことができます。ぜひご活用ください♪
第3章 患者さんの情報
STEP1 診療とカルテ
STEP2 紹介と対診
STEP3 治療に必要な情報
STEP4 口腔内写真5枚法の撮影
STEP5 う蝕と歯式
STEP6 歯周病と歯周組織検査
STEP7 X線写真(デンタルの撮影)
STEP8 X線写真(パノラマとCT)と口腔内模型