12月5日、高見澤亜衣さん主宰の口腔周囲筋ケア第二期・三期認定試験が山梨県甲府市にて開催されました。
新型コロナウイルスの影響で2年ぶりの試験です。2020年に企画されましたが、残念ながら延期。今回も感染の状況で参加を見送るという方が複数いました。
しかし、みんなの集いたい思いは、第5波収束というタイミングと重なり、開催が叶いました。(写真撮影時のみマスクを外しています。)
口腔周囲筋ケアとは?
口腔周囲筋ケアとは、もともとエステの領域で行われていた口腔周囲筋マッサージを予防歯科と融合させたもの。
食いしばりのある患者さんや顎関節症の方、MFT(口腔筋機能療法)が必要な方に対して、歯科衛生士としてお口のトータルケアを行うために編み出されたケアです。(高見澤さんはエステシャンの資格もお持ちです。)
最初に参加したのは3年前。それから、さまざまなセミナーに参加しました。
(参照:歯科衛生士業務にプラスアルファ!口腔周囲筋ケアについて知るセミナーが開催)
- 山梨プレゼン大会
- プライベートレッスン
- 認定試験
- オンラインセミナー
- 気づきからの発展
そこで、今回より数回にわたり、口腔周囲筋ケアセミナーの受講レポートをまとめてみたいと思います。
今回はまず、記憶に新しい山梨で受けた認定試験の感動をお伝えします。
口腔周囲筋ケアセミナー 山梨プレゼン大会参加レポート
一期生の私は、同期である和歌山の北川晶子さんとともに参加。
認定試験には実技に加え、自分の思いを伝えるプレゼンがありました。
テーマは、「口腔周囲筋ケアを学び、どう活かすか」。全国から集う歯科衛生士は、みなエネルギーに満ち溢れていました。
誰のために何をしたいのかが、それぞれ熱く語られます。プレゼン資料の良し悪しとか、プレゼン力自体の優劣は関係ありません。どれだけ自分と向き合い、思考を言語化できたか。そこに新たな発見をしたり、たくさんの刺激を受けました。
その中で印象に残った方をご紹介させていただきます。
香川県から参加の中須賀愛さん。オンラインセミナーでかならず会うメンバーの1人です。全身と口腔周囲筋との関連に強い興味をお持ちです。
ご自身も接骨院に通い、中医学観点から食と生活習慣の見直しをされています。患者さんの痛みのそもそもの要因を探り、そこからの予防、ストレスケアに注力しているとのことです。
中須賀さんは、「もちろん、歯科衛生士としての臨床ありきで口腔周囲筋ケアを行っている」と言い切ります。歯周治療に力のコントロールというアプローチを強みとして加える。診療補助も受付も何でもやる…と笑います。
患者さんに寄り添い話すことが、どこまでも好きな様子。受付で帰り際にポロッと本音が聞けるとも言っていました。一般的なクリニックに口腔周囲筋ケアを組み入れ、患者さんに気づきを与える、それが私の仕事だと。なんとも潔い姿勢です。
もう1人は、富山紗季さん。
以前よりInstagramで存在を知っていましたが、とにかく勉強家…。なんでもできるタイプではないから、人より勉強しようと思ったと言います。
お会いして、芯の強さを強く感じました。そして、0歳、3歳のお子さんを子育て中。それでも学び続けているところが素晴らしいです。私はその時期に仕事をする余裕はまったくありませんでした。
臨床を継続した方の強みは、ブランクの多かった私には埋められません。休んでいる間にも患者さんとの歴史が積み重ねられ、技術的にも進化を遂げているはずですから。
富山さんは歯周治療を専門にしたいとのこと。そこに力のコントロールを加え、歯を喪失しないよう予防していきたいそうです。
さらに、食育を含む口腔機能発育支援で子どもたちが健康に育ってほしい。そして最期まで自分の口で食べられるようにしたい。富山さんは口腔から全身への健康に繋げたいと目を輝かせます。
Instagramには本棚に並べられた本の様子がアップされています。私と所持する本と同じものが非常に多く、会う前から意気投合するに違いないと思っていました。実際に語り合うと話は止まらない…。
プレゼン内容も頷くことばかりでした。そして、若いうちにそれに気付き、学んでいることが素晴らしい!
他にも、印象に残る方が多かったです。
日本歯周病学会の認定歯科衛生士さんで、歯周病を改善させるために口腔周囲筋ケアを学んでいるという方。地域密着で村の方の健康を守りたいと勢力的に活動をされている方。
口腔周囲筋ケアはゴールではなく、きっかけ。
それをどう使うかは人それぞれ。100人100通り。まさに、そんなプレゼン大会でした。
仕事と子育ての両立に必要なこと
また特別講演として、ジブンマネジメントラボ鮫島美智子先生から、自分らしく生きる人生の素晴らしさについてお話いただきました。
4人の男の子を育てながら、キャリアについて熱く語る美智子先生の姿に、子育て中のメンバーはきっと勇気づけられたはず。ランチタイムには私たちの輪に入って、気さくに仕事と子育てについて語ってくださいました。
歯科衛生士は圧倒的に不足しているにも関わらず、子育てを理由に離職する方が多いのが現状です。制度や社会に抗えないと嘆くより、できることをできる環境でやってみる人が増えたらなぁと思います。
そして、経営者である院長先生にも時代の流れを感じていただきたいです。それを実践することで、やる気ある歯科衛生士を採用、継続雇用することに繋がるはず。
鮫島先生は今回のプレゼンを聴き、歯科受診を決意されたようです。信頼できる歯科衛生士がいるところを選ばれたとか…
ディプロマの授与
プレゼンの後は実技試験。一人ひとり、施術チェックや患者さんへの説明について指導を受け、ディプロマの授与を行いました。
私も泣きながら個人セミナーを受けた日が蘇り、感無量でした。
本気の後の達成感は、何事にも変えがたい貴重な経験。この紙にこだわりはないけれど、一つの証です。
会場には、高見澤さんが勤務されている医療法人社団ゆめらいふ新宿三丁目北歯科の院長 楳津徳弘先生もいらしていました。
楳津先生は、ご自身がお若い頃に学ばれていたことを思い出し、また熱い思いに感動したとおっしゃっていました。
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前泊で山梨入りした方、当日泊まった方とは濃厚な語り合いと山梨満喫ツアーを行いました。
高見澤さんが山梨開催にこだわったからこその時間と空間でした。
連載はまだ続きます。私たちはキラキラ歯科衛生士集団ではありません。本気の人が集まる。だから同志ができるのです。