歯科のお仕事完全マニュアル 第10章 失われた歯を補う治療 STEP8 リベース

粘膜調整と同様に義歯の内面を一層削り、新しく貼りかえる治療のことをリベースといい、リラインリライニングともいいます。粘膜調整後の義歯や、歯肉がやせてしまい、合わなくなった義歯に対してよく行います。

リライニング

リベース後は、新しい義歯のセットと同様に、義歯調整が必要です。患者さんによっては、リベースで治療が終了したというイメージをもっている方もいるため、しっかりと義歯調整の必要性を説明しなければいけません。

第10章 失われた歯を補う治療 STEP8 リベース

STEP8では、リベースを行う際に準備する器具や、治療の流れについて説明します。

1.リベースの準備

リベースセット
咬合紙
咬合紙
ストレート + バー(技工用カーバイド・ビックポイントなど)
レジン用研磨剤
レジン用研磨剤
金冠鋏(きんかんばさみ)
金冠鋏(きんかんばさみ)
口腔外バキューム あるいは 技工用ゴミ箱
ワセリン
ワセリン
お湯

2.治療の流れとアシスタント

リベースの作業の多くは、術者一人での作業になります。そのため、アシスタントは術者が効率的に治療を行えるように、器具を適切に準備しておく必要があります。

① 義歯の咬み合わせを調整する

① 義歯の咬み合わせを調整する

② 義歯の内面を一層削る

古い粘膜調整材を削ると悪臭がするため、窓を開けるなどの対応が必要です。

  • ストレートに技工用カーバイドバーをセットしておく
  • 横からエアーをあてて、削りかすを飛ばす(術者による)

義歯の内面を一層削る

③ 接着剤の塗布

内面を削った後、義歯の内面全体に接着剤を、人工歯を含む外面にワセリンを塗布します。

接着剤の塗布
義歯の内面に接着剤を、外面にワセリンを塗布する様子

④ リベース材を盛る

リベース材を練和し、義歯の内面に盛り、患者さんに装着してもらいます。

リベース材を盛る
リベース材を盛る様子

⑤ 余計なリベース材を除去する

リベース材がある程度硬化したら、患者さんに一度はずしてもらいます。必要に応じて、レジンを硬化させるためのお湯を準備します。

リベース材が完全に硬化する前に、金冠バサミで不要な部分を切除し、きれいに整えます。

余計なリベース材を除去する手順
余計なリベース材を除去する手順

リベース完成後

リベース完成後

⑥ 次回の予約をとる

義歯調整で次回の予約をとります。

やってみよう!知識チェック

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第10章 失われた歯を補う治療

STEP1 ブリッジ
STEP2 義歯の概形印象
STEP3 精密印象
STEP4 バイト
STEP5 試適
STEP6 セットと義歯調整
STEP7 粘膜調整
STEP8 リベース
STEP9 義歯修理