⻭周治療の強い味方!リペリオをプロフェッショナルケアとして最大限に活用する方法

歯周治療に携わる機会が多い歯科衛生士にとって、プロフェッショナルケアに使用するアイテムの選択は非常に大切です。

超音波スケーラーのチップやキュレットの種類、PMTCに使用するブラシ、カップ、さらにはペーストまで。多くの歯科衛生士がさまざまなこだわりをもって、各アイテムを選定していることだと思います。

一昔前までは、歯面や歯根面を「とにかく滑沢に仕上げること」がSRPやPMTCの第一目標となっていましたが、昨今は「いかに生体にとって低侵襲でダメージを与えないか」ということが重要視されるようになりました。

そういった時流に沿って、今回PMTCペーストとしておすすめしたいのが『リペリオ』!

歯磨剤や歯肉マッサージのペーストとして使用されることが多いリペリオですが、今回は従来の活用方法に加え、PMTCペーストとしての活用方法についても紹介していきたいと思います♪

リペリオ
リペリオ

リペリオに含まれる魅力的な成分「OIM加水分解コンキオリン」とは?

リペリオには、歯肉にハリと弾力を与える「線維芽細胞」を活性化し、加齢や歯周病によって退縮した歯周組織の回復を促す「OIM加水分解コンキオリン」という成分が含まれています。

歯磨剤に詳しい歯科衛生士でも、あまり耳にしたことがない成分ではないでしょうか。

OIM
「オーガニックイオニックミネラライズ」の略で、イオン化された酵母有機酸ミネラルのことを指す。水分子を細分化し、細胞や物質への透過性を高める作用がある。
加水分解コンキオリン
アコヤ貝の真珠層に含まれる硬タンパク質コンキオリンを分解して得られる成分。皮膚や毛髪への吸収性が高く、医薬部外品の化粧品に用いられている。

このOIMと加水分解コンキオリンを組み合わせることによって、線維芽細胞が活発に増殖する効果を相乗的に高め、歯肉にハリと弾力を与えることができるとのこと。

OIM加水分解コンキオリンの作用

他にもリペリオには、歯肉の血行を促進し、歯肉を引き締める「塩化ナトリウム」や、炎症を抑制する「グリチルリチン酸ジカリウム」など、歯周病の患者さんに必要な成分が豊富に含まれています。

また、発泡剤が無配合のため、長時間ブラッシングできるところも嬉しいポイントです!

普段はセルフケア用品として使用する!

基本的にリペリオは、患者さんが自宅で行うブラッシング、または歯肉マッサージに用いるペーストとして使用することが推奨されています。

使用方法は以下の通りです。

歯磨剤として使用する場合

歯磨剤として使用する場合

  1. リペリオをハブラシに適量とる
  2. 歯頸部を中心にブラッシングを行う
  3. 水でしっかりとすすぐ

歯周病の患者さんのセルフケアにはもちろんのこと、歯周外科処置後などのデリケートな歯肉に対して使用する歯磨剤としてもおすすめです。

オペ後はほとんどの場合、抜糸までの期間だけでなく抜糸後も1〜2週間は通常のブラッシングが行えません。手術創の治癒を促すためにも、ぜひ活用したいアイテムです!

歯肉マッサージ用のペーストとして使用する場合

歯肉マッサージ用のペーストとして使用する場合

  1. 人差し指に適量リペリオを取る
  2. リペリオをつけた指の腹で歯肉を傷つけないよう、円を描くようにマッサージする
  3. 水でしっかりとすすぐ

リペリオで歯肉マッサージを行うと、血液循環を促しながら、薬用成分の効果を得ることができます。そのため、歯磨剤として単独で使用するよりもさらに効果的に歯肉を活性化できると考えられています。

また、毎日歯肉に触れることで、歯肉の変化を実感することができるので、日々のセルフチェックにも有効です◎

プロフェッショナルケアにはどう取り入れる?

それでは、リペリオをプロフェッショナルケア用品として歯科医院に取り入れるには、どのように使用すればよいのでしょうか?

リペリオを歯科医院で活用する方法は、以下の2つです。

  1. プロフェッショナルケアとして行う歯肉マッサージに使用する
  2. PMTCペーストとして使用する

それぞれの使い方について説明していきます。

プロフェッショナルケアとして行う歯肉マッサージに使用する場合

基本的な使用方法はセルフケアの場合と同じです。歯肉にまんべんなく行き渡るよう、ペーストは十分に塗布しておきましょう。
(参考:歯科でエステ?歯科衛生士の新しい可能性「デンタルエステ」part2.歯肉マッサージ編

SRP後のデリケートな歯肉に局所的なマッサージとして行ったり、歯周病リスクが高い患者さんにおけるメインテナンスの仕上げとして行ったりと、さまざまな使い方ができます。

患者さんから喜ばれること間違いなしです!

歯肉マッサージでリペリオを使用する様子
歯肉マッサージでリペリオを使用する様子

PMTCペーストとして使用する場合

使い方は、普段行っているPMTCのペーストをリペリオに変更するだけ!

歯周病の患者さんの中でも、特に以下のような口腔内をもつ患者さんにおすすめです。

  • 着色除去を行う必要がない
  • 歯肉が薄い
  • 補綴物が多い

リペリオは元々セルフケア用品として販売されている商品のため、一般的な歯磨剤に含まれる清掃成分しか入っていません。したがって歯面に着色が付着している場合は、着色除去に適したペーストで歯面研磨してから、リペリオを使用すると良いでしょう。
(参照:現役歯科衛生士の使用率8割超えのPMTCペースト クリーニングジェルを徹底解剖!

さらに、リペリオに含まれるOIM加水分解コンキオリンには歯周組織の回復を促す作用があるため、歯肉退縮の予防として、歯肉が薄い患者さんのPMTCにも効果的に使用できます。

歯肉へのダメージを最小限に抑えられるよう、いずれもラバーカップ、もしくはかなりやわらかめのブラシを用いてPMTCを行いましょう

中でも特におすすめしたいのが、補綴物が多い患者さんです。

補綴物にPMTCを行うと、ペーストに混じってメタルの成分が黒く浮き上がってくるよう経験をしたことがある方はいませんか?

PMTCを行うことで補綴物の表面が粗くなってしまうことは誰もが避けたいはず。

一方で歯科衛生士としては、補綴物が入っていても歯頸部付近のPMTCはしっかりと行いたい!という気持ちもでてきます。そんな時に使えるのが、リペリオです!

先述した通り、リペリオには一般的な歯磨剤に含まれる清掃成分しか入っていないため、過度に補綴物を傷つける心配がありません

補綴物がある方へのPMTCにもおすすめ
補綴物がある方へのPMTCにもおすすめ

歯肉退縮して補綴物のマージンを露出させないためにも、非常に適したペーストといえるでしょう。

今まで補綴物が多い患者さんにも研磨剤たっぷりのPMTCペーストを使用していた方は、ぜひ一度試してみてくださいね♪

歯肉辺縁にペーストをたっぷりとなじませて使用する
歯肉辺縁にペーストをたっぷりとなじませて使用する

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歯周治療を受ける患者さんにとって必需品ともいえる『リペリオ』。

歯科専売用品の歯磨剤としてはめずらしい塩味も、愛用しているとクセになるポイントです!

私たちが個々の患者さんに合わせたプロフェッショナルケアを取り扱うことで、患者さん自身もセルフケアに取り入れやすくなるのではないでしょうか。

リペリオを使ったことがない方は、この機会にぜひ一度お使いください!

リペリオの詳細はこちら
リペリオの詳細はこちら