コツを学んで心を掴む!明日からできるコミュニケーション術 第五回 会話をスムーズに行う秘訣を学ぼう!

こんにちは。歯科衛生士の古家と申します。

この連載では、これまで私が学んできた知識や経験から、コミュニケーションについてお話ししていきたいと思います。

コミュニケーションにおいてもっとも重要視されるのは、やはりお互いに楽しく会話をして思いを伝え合う「言語コミュニケーション(バーバルコミュニケーション)」かと思います。

言語コミュニケーションについては第一回で詳しくお話ししていますので、ぜひそちらを読んでみてくださいね。

とはいえ、この記事を読んでいる方の中には、「人と話すことが苦手」「声はかけられるけれど、そこから話が広がらない」という方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、「スムーズな話の聞き出し方」についてお話ししていきます。

前回の記事はこちら

第一回 まずは自分を整えよう!
第二回 相手に合わせた話し方を知ろう!
第三回 相手との違いを理解した コミュニケーションを目指そう!
第四回 相手の全身を見て コミュニケーションのヒントを探そう!

スムーズな会話を楽しむには、まず自分から!

自分が何かのトラブルで困っているとき、誰かが助けてくれるととても嬉しいですし、「今度相手に何かがあったときは自分が力になろう!」と思いますよね。

反対に何か嫌なことをされたときは、つい自分も嫌な態度をとってしまう…なんてこともありますよね。

これを、心理学では「返報性の法則」といいます。

「返報性の法則」とは、相手から受けた好意などに対して「お返し」をしたい、しなくてはならないと感じる心理作用のことです

この心理を上手に利用しているのが、無料体験や試食販売、店頭での化粧品のタッチアップなどです。

たとえば、当初は買うつもりはなかったけれど、店員さんのわかりやすく丁寧な接客を受けて「いつのまにか買ってしまった」という経験はありませんか?

これが、「返報性の法則」を上手に使ったマーケティング手法なのです。

では、今度はこれを会話術として使ってみましょう。

この法則は雑談で場を盛り上げて会話をスムーズにするときなどにとても役立ちます。

たとえば、「毎日暑い日が続きますね。夏バテ気味なので私は昨日素麺を食べました。あなたは何を食べましたか?」と聞かれたら、何と答えますか?

自然と昨日の自分の夕食が何であったかを考えたのではないでしょうか?

これは、「自己開示の返報性」というテクニックを使った会話の例文になります。

そこまで深いプライベートの情報ではないけれど、自分の行動を先に伝えて自己開示することで、相手に対して「私も同じように返さなければ」という心理を引き出すアプローチを行っているのです。

このように、自分から自己開示して話を引き出すことは会話術としてとても有効なので、ぜひ使ってみてくださいね。

返報性の3つのルール

返報性には、以下のようなルールがあります。

  1. 好意の返報性:こちらが好意を見せれば、相手もこちらに好意を示す
  2. 敵意の返報性:こちらが敵意を見せれば、相手もこちらに敵意を示す
  3. 譲歩の返報性:こちらが相手に譲歩すれば、相手もこちらに譲歩する

この3つのルールを見て読みとれることは、まずは「自分がどんな対応をするか」が人間関係を作る上でとても大切だということです。

笑顔で話しかけられれば自然と笑顔で返事をしたくなりますし、しかめっ面や怒った表情で話しかけられれば、それに反応して警戒した状態で答えると思います。

第一回の投稿をぜひもう一度読んで、笑顔で会話をはじめることで「ウェルカム!」な状態を演出してみてくださいね。

まずは大きな話題からはじめてみよう

相手から話を聞き出すときには、質問の話題を限定しすぎないことも大切です。聞き方一つで、相手に与える印象はずいぶん変わるのです

たとえば、クリーニング後に患者さんに対して「どうでしたか?」と聞いてみた場合、相手はどう返すでしょうか?

  • 気持ち良かった!
  • また受けたいと思う
  • 歯磨き粉の味が嫌だった
  • 足元が寒かった

人によっていろいろな角度からの答えがあると思います。

このように、相手の回答の範囲を制限しない質問の仕方を「オープンクエスチョン」といいます。

「はい」「いいえ」などの選択肢がなく、回答者が自由に考えて答えられるため、相手の中にあるもっとも強い気持ちや要望を聞き出すのにもってこいの質問の仕方です

回答の内容をさらに掘り下げていくことで、何についてどのように感じたのか、どんな要望があるのかを詳しく確認していくことができます。

そこから話がどんどん広がりますし、回答者本人すら意識していなかった深い要望を知ることができます。

反対に、限定した質問の仕方を「クローズドクエスチョン」といいます。これは相手に回答の選択肢を与えて、その中から回答を選ばせる形の質問のことです。

たとえば、「ミント味の歯磨き粉はお好きですか?」という質問をした場合、相手は「はい」か「いいえ」で回答することができます。

このように、質問をする際には自分の求める答えの幅に合わせて、相手に投げかける話題の大きさを調整することで、より相手から話を聞き出しやすくなります。

いかがでしたか?

ぜひ明日から、診療だけでなく職場でのスタッフ間のコミュニケーションにも活かしてみてくださいね。

コツを学んで心を掴む!明日からできるコミュニケーション術

第一回 まずは自分を整えよう!
第二回 相手に合わせた話し方を知ろう!
第三回 相手との違いを理解した コミュニケーションを目指そう!
第四回 相手の全身を見て コミュニケーションのヒントを探そう!
第五回 会話をスムーズに行う秘訣を学ぼう!